女性レーサーのみで競う自動車シリーズ・KYOJO CUPは26日、静岡県の富士スピードウェイ(4563メートル、12周)で今季最終戦となる第4戦が行われ、うるま市出身の翁長実希(浦添商高―沖縄国際大出、RSS VITA)が優勝した。今季2勝目。6ポイント差で年間王者は逃した。
KYOJO CUPの今季最終戦は翁長実希(RSS VITA)とライバルの三浦愛が序盤から先頭争いを繰り広げた。カーブで攻める翁長と直線で勝負する三浦。対極的な2人の対決は、終盤で翁長が抜け出した。
2番手スタートの翁長はトップ三浦の後ろにつけた。2周目に入るころには3位以下を引き離し、2人の勝負に。4周目からカーブで翁長が抜き、三浦がメインストレートで抜き返す展開が続いた。
勝負の分かれ目は7周目に入った直後のカーブだった。三浦がメインストレートでスピードを上げ、カーブの前に翁長を抜こうとした際、翁長はタイミングを遅らせるレイトブレーキで三浦の走るルートをつぶし、前に行かせなかった。その後は、徐々に差が開き、翁長が逃げ切った。
翁長は今季の優勝が2回と勝利数は三浦と同じだが、年間王者は6ポイント差で逃した。先に2勝した三浦をどのように攻略するか毎回考え、悩んできた。2年連続の年間王者になれなかったことに悔しさを見せながらも「チームも素晴らしいマシンを用意してくれ、最後の試合で勝てたのが良かった」と安堵(あんど)した様子だった。
最大の目標は国内最高峰のスーパーGT300の舞台だ。「速いドライバーよりも、プロとして車を操るのがうまいドライバーを目指したい」。翁長の挑戦は続く。
(屋嘉部長将)