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<インタビュー>キングス・マクヘンリーAC 9、10日にアリーナで古巣と対決 永久欠番セレモニーも 沖縄


<インタビュー>キングス・マクヘンリーAC 9、10日にアリーナで古巣と対決 永久欠番セレモニーも 沖縄 ベンチから指示を出すキングスのアンソニー・マクヘンリーAC=9月17日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 昨季で現役を引退し、現在は琉球ゴールデンキングスでアシスタントコーチ(AC)を務めているアンソニー・マクヘンリー氏。2008年から9シーズン、キングスに在籍。bjリーグ4度の優勝に貢献するなどチームを支えたマクヘンリー氏の背番号5が永久欠番となった。9、10の両日には沖縄アリーナで古巣の信州ブレイブウォリアーズとの試合があり、10日の試合後に永久欠番セレモニーが開かれる。「ファンへ感謝を伝え、その気持ちを持って今後のコーチのキャリアを築いていきたい」と未来を見据えている。

思い出は4度の優勝

 マクヘンリー氏がキングスに入団したのは、08―09シーズン。個人的な付き合いがあったジェフ・ニュートン氏がキングスに紹介したのがきっかけだった。ゴール下のリバウンドだけでなく、ハンドラーとしても攻撃の起点になり、守備でも素早くヘルプに入るなど、万能型のオールラウンドプレーヤーとして活躍した。大黒柱として存在感を示し、キングスは08―09シーズンの初制覇から、bjリーグで最多となる4度の優勝を果たせた。

 17―18シーズンから当時B2の信州に移籍。主将にもなり、B1昇格に導いた。22―23シーズンも1試合平均30分近く出場し、10・8得点するなど活躍していたが「やりきったという実感があった。来たるべき時が来た」と引退を決意した。日本での選手生活で、一番の思い出は「キングス時代の優勝」という。15―16シーズンは決勝でトリプルダブルを達成し「自分のプレーやチームへの貢献度が良かった」と振り返った。

ACという新たな舞台

優勝を懸けた一戦で存在感を発揮し、キングスを勝利に導いたアンソニー・マクヘンリー氏=2016年5月15日、有明コロシアム

 キングスのACとして、今季からBリーグの指導者の道を歩む。「1年目なのでほかのコーチ陣から多くのことを吸収することを重視している」。現在のコーチ陣で、Bリーグでの選手経験者はマクヘンリー氏のみ。今季プレータイムを伸ばしているカール・タマヨにつきっきりで指導したり、外国籍選手にテクニックを教えたりする場面が多く見られ、選手らは試合で成果を発揮する。「選手目線で伝えられるコーチだと思っている。伝えられることは選手やコーチ陣に共有するようにしている」。桶谷大HCも「選手上がりのマックは目線が違う。いるのといないのでは全然違う。キングスが勝つために必要な部分を知っている」と信頼を寄せる。

 ACとして新たな舞台で活躍するマクヘンリー氏の足には、新しいタトゥーが彫られている。沖縄アリーナや信州のホーム「ホワイトリング」、キングスがbj時代に優勝した年など、現役時代の象徴が並ぶ。「キングスや信州でプレーできたことへの感謝です。まだ完成ではないが、選手時代の思い出だ」と笑顔を見せる。

 ニュートン氏、金城茂之氏に続き3人目となる永久欠番。信州のファンも集まる中でのセレモニーに「キングスや信州のファンへ感謝を伝え、その気持ちを持って今後のコーチのキャリアを築いていきたい」。選手として大きな実績を残した大黒柱は、コーチとしてもキングスの歴史を紡いでいく。

 (屋嘉部長将)