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キングス逆転4連勝 岸本怒濤、3点弾3発 信州に83ー79【10日の試合】


キングス逆転4連勝 岸本怒濤、3点弾3発 信州に83ー79【10日の試合】 琉球ゴールデンキングス―信州ブレイブウォリアーズ 第4Q終了間際にオフェンスファウルをもらい、今村佳太(左)らに起こされるキングスの岸本隆一(左から2人目)=10日、沖縄市の沖縄アリーナ(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は10日、沖縄アリーナで信州ブレイブウォリアーズ(中地区7位)と今季第19戦を戦い、83―79で勝利し、4連勝となった。通算成績は15勝4敗で西地区首位のまま。前半はお互いに点の取り合いとなった。第2クオーター(Q)に信州が3点弾を立て続けに決めて、点差がつき始めたが、終了間際に今村佳太が3点弾を決めて、42―46で折り返した。後半に入ってもキングスは点差を縮められず、守備の強度を上げた信州に得点を止められ、第4Q残り2分16秒で12点差をつけられた。そこから岸本隆一の3連続3点弾、松脇圭志の3点弾で同点に追い付いた。ヴィック・ローと岸本がそれぞれ得点して逆転で勝利した。キングスの次戦は東アジアスーパーリーグ(EASL)のメラルコボルツ戦がマカオで13日午後8時(日本時間)から。レギュラーシーズンは16日午後6時5分から沖縄アリーナで広島ドラゴンフライズと対戦する。

 試合後のアンソニー・マクヘンリーACの永久欠番セレモニーを勝利で迎えたかったキングスだったが、第4クオーター残り2分16秒で信州に12点のリードを許した。ここから怒濤(どとう)の16得点のランで逆転で勝利した。その口火を切った岸本隆一は試合後、「負けられない理由があった。彼のために勝てて良かった」と笑顔だった。

 信州にフリースローを決められ12点差となったタイミングで桶谷大HCはタイムアウトを取った。「『自分がなんとかしないと』という気持ちを隆一から感じていた。最後は隆一で勝負しないといけない」と岸本のプレーで勝負をしかけた。

 ヴィック・ローがインサイドに攻め込む。そこから左コーナーにいた岸本へパスを出すと、冷静に3点弾を決めた。信州の攻撃でカール・タマヨがトラベリングを誘発。キングスボールにすると、またもローから岸本へパスが渡り、続けて3点弾を決める。さらに信州の攻撃を耐えて、岸本が放った3点弾はきれいな放物線を描きリングに吸い込まれた。その後も松脇圭志が3点弾を決め、ローがファウルを受けながら得点するなど、岸本の思いが乗り移ったかのようにチームで劇的な逆転を決めた。

 わずか1分16秒の間に3本の3点弾を決めた岸本。「理屈じゃなくて勝ちたい気持ちと状況を正確に把握する冷静さが合わさった結果」と偉大な先輩へ届けた勝利に満足げだった。

 (屋嘉部長将)

琉 球 15勝4敗
83―79(23―21,19―25,17―16,24―17)
信 州 4勝15敗

完璧なシナリオ

 桶谷大HC(キングス)の話 負けられない試合で、最初からみんなの気持ちが入った試合だった。2Qの途中で守備が崩れた時間があった。最後にタイムアウトを取った後、そこから(岸本)隆一の3点弾が決まって、会場の熱が高まっていった。最後の2分16秒は完璧なシナリオ通りでいけたと思う。

成長見られた

 勝久マイケルHC(信州)の話 一生忘れることのできない負け方。けが人が多い中、われわれのバスケットがやれるように準備してきた。成長が見られて選手たちを誇りに思う。