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「自分らしく豊かに生きていきたい」 平昌五輪・スピードスケート金の小平奈緒さん、那覇で講演


「自分らしく豊かに生きていきたい」 平昌五輪・スピードスケート金の小平奈緒さん、那覇で講演 講演する小平奈緒さん=12日、那覇市のザ・ナハテラス(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の12月例会が12日、那覇市のザ・ナハテラスで開かれた。相澤病院(長野県松本市)ブランドアンバサダーの小平奈緒さんが「知るを愉(たの)しむ」の演題で講演した。

 スピードスケート選手として、2018年平昌冬季五輪女子500㍍で金メダルを獲得するまでの道のりや苦悩、けがをしながらも挑んだ22年2月の北京五輪、約6千人が駆けつけた同年10月の地元での引退レースなど、思いの丈を語った。

 メダリストになってからは「生きづらさ」を感じたと吐露。「どこにいても注目を浴び、監視カメラがあるように感じた」と苦悩を語った。「メダルの色、順位や数字で私が評価されていることへ違和感があった。社会の中で自分らしく豊かに生きていきたい」と、たどり着いた思いを述べた。

 19年10月に台風被害に遭った地元長野でのボランティア活動を通し、「特別扱いせず、一緒に支援の輪に入れてくれた。地域の一人として誰かの支えになれた」と本来の自分を取り戻すきっかけとなった。

 大学時代から18年間指導を受けた信州大の結城匡啓コーチ、父・安彦さん、母・光子さんからかけられた言葉を大きな糧とし、自問自答しながら困難を乗り越えてきた経緯を振り返った。

(大城三太)