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沖縄100Kウルトラマラソン 男子山口が独走、初出場で栄冠 女子北谷「優勝狙っていた」 


沖縄100Kウルトラマラソン 男子山口が独走、初出場で栄冠 女子北谷「優勝狙っていた」  圧倒的な走りで100キロの部男子優勝を果たした山口純平=17日、与那原町の与那古浜公園(砂川博範撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 砂川 博範

 第6回沖縄100Kウルトラマラソン(主催・同実行委員会、共催・琉球新報社)は17日、与那原町の与那古浜公園を主会場に開催された。100キロの部男子は山口純平(東京)が初出場ながら、大会記録を大幅に更新する6時間22分47秒で優勝を果たした。同女子は北谷友梨佳(愛知)が8時間44分24秒で頂点に立った。50キロの部男子は松下和樹(長崎)が3時間28分10秒、同女子は斉藤明日佳(静岡)が4時間27分56秒でそれぞれ制した。22.5キロの部(ニライカナイラン&ウォーク)男子は一場将(群馬)が1時間29分3秒、同女子は坂東慶子(滋賀)が1時間45分2秒で1位に輝いた。

山口独走 初出場で栄冠

 100キロの部男子は山口純平(26)=東京、ELDORESO所属=が従来の記録を約50分縮める6時間22分47秒をたたき出し、初出場で栄冠をつかんだ。時折強い風が吹きすさぶ中、自分の力を出し切った。

 優勝することが前提で、あとはどれだけ自分の走りができるかだった。30キロ付近までは5人ほどで集団をつくりながら走り、50キロ手前から独走状態に入った。「後半ペースが落ちても大丈夫」と思える余裕さえあった。

 だが最後の関門、80キロ前後で待ち構える大きなアップダウンではさすがにペースががくっと落ちた。「めちゃくちゃきつかった」。それでも自己ベスト6時間6分8秒の日本記録保持者で、世界記録まであと33秒に迫る強者(つわもの)はへこたれなかった。

 何とか登り切るとそれ以降は快速を見せ、驚異的なタイムでゴールテープを切った。「上り坂や信号待ちがあった中では良い内容だった」と納得の表情を見せた。

 沖縄でのレースは初。目下の目標は世界の頂点に立つことだ。「来年のどこかで更新したい」と自信をのぞかせた。

 (砂川博範)


北谷「優勝狙っていた」

人さし指を高く掲げながら1位でゴールする100キロの部女子の北谷友梨佳(砂川博範撮影)

 愛知県庁の公務員ランナー、北谷友梨佳(26)は100キロの部女子で初優勝を果たした。人さし指を高く掲げてナンバーワンのポーズを作り、ジャンプしながらゴールした。満面の笑顔だった。沖縄には何度か旅行で訪れているが、走るのは初めて。「優勝を狙っていた」と思いを実現させた。

 「行けるところまで行こう」と最初から飛ばした。自然が好きでサトウキビ畑などの農道や自然の中を満喫し、「こういう景色もいいな」と思いながら走った。最初の10キロを除き、レースのほとんどは己との戦いだった。最後は脚が動かなくなるほど疲れたといい、急な上り坂となる80キロ前後のニライカナイ橋では「パンチを食らった」。とにかく何も考えず走り、ひたすら前を進み続けた。

 東京~茨城の柴又100K、北海道のサロマ湖100キロウルトラ、高知の四万十川ウルトラ、沖縄100Kウルトラの四つのレースを完走すると「ウルトラマエストロ」の称号を得られるという。

 「サロマ湖」以外の三つを完走し、同レースには来年出場する予定だ。マエストロになる日もそう遠くない。

(砂川博範)