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川満、好機逃さずTKO勝ち 悲願のベルトに涙、狙うは世界王者 ボクシング日本王座戦


川満、好機逃さずTKO勝ち 悲願のベルトに涙、狙うは世界王者 ボクシング日本王座戦 王者のベルトを抱え、喜ぶ川満俊輝(中央)と三迫貴志会長(右)、横井龍一トレーナー(左)=17日、兵庫県の神戸ポートピアホテル(本人提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 宮古島出身の川満俊輝(宮古工高―第一工業大出、三迫)が悲願のチャンピオンベルトを獲得した。17日に兵庫県の神戸ポートピアホテルで行われたプロボクシングの日本ライトフライ級のタイトルマッチ10回戦で、川満が王者の大内淳雅(姫路木下)を2回1分0秒でTKO勝ちして、新王者となった。川満の戦績は9勝(5KO)1敗。

 王者・大内淳雅からダウンを奪いその後は連打をたたき込んで、悲願のベルトをつかんだ。28歳の川満俊輝(三追)は新王者となり、思わず涙があふれた。「ベルトを目標にしていたので本当にうれしい。三迫ジムにベルトを持って来られてうれしかった」と喜びを何度もかみしめた。

 1回は大内のペースだった。川満は得意のボディーから攻める作戦だったが、緊張もあり、動きが硬かった。大内有利な展開が続く中、「下を警戒させよう」とボディーを中心に攻め続け、1回を終えた。

 ボディーを警戒させたことが布石となる。2回はボディーを打つと見せかけて、ガードが下がったのを見逃さず、あごをとらえダウンを奪った。立ち上がった大内に「結構効いている。絶対に仕留めないと」と連打を浴びせ、TKO勝利を決めた。

 宮古工高生の時に競技を始め、同じジム所属の狩俣綾汰や元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾と共に宮古島で技術を磨いた。2021年に世界王者・重岡銀次朗が保持していたWBOアジアパシフィック王座に挑むも完敗。そこから奮起した。今回の試合前夜には「逃げたい」という不安に駆られたが、比嘉の「がんばれよ」のメッセージや、試合前の減量中にもかかわらず応援に来てくれた狩俣の存在が支えになった。

 「アララガマ魂、沖縄の魂を持って戦い続けた」と川満。すぐに練習も再開し「防衛はもちろん、やるからには世界王者を狙いたい」とさらなる先を見据える。

 (屋嘉部長将)


▽日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦

川満俊輝(三迫)48・7キロ
 TKO 2回 1分0秒
大内淳雅(姫路木下)48・9キロ