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石川(女子)の城間と古謝、連携光る バスケ全国高校選手権 初戦突破 男子・美来工科、進出ならず


石川(女子)の城間と古謝、連携光る バスケ全国高校選手権 初戦突破 男子・美来工科、進出ならず ドリブルで相手を揺さぶるガードの古謝志帆=23日、東京体育館(古川峻撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 バスケットボールの全国高校選手権は23日、東京体育館などで開幕して男女の1回戦が行われ、県代表で初出場した女子石川が済美(愛媛2位)に92―87で競り勝ち、初戦突破した。2年ぶり11度目の出場となった男子の美来工科は、2年連続で全国総体8強の尽誠学園(香川1位)に59―82で敗れた。女子は前回4強で優勝2度の岐阜女が富岡東(徳島)に102―62で、同じく4強の東海大福岡は四日市メリノール学院(三重)に82―73でともに勝ち、2回戦に進んだ。浜松開誠館(静岡)は慶進(山口)を85―53で下して初戦突破。下妻一(茨城)は日本航空北海道に73―69で競り勝った。男子は前回4強の藤枝明誠(静岡)が鳥羽(京都)に100―64で大勝した。広島皆実は駒大苫小牧(北海道)に81―72で勝って2回戦に進出。土浦日大(茨城)は能代科学技術(秋田)を87―72で退けた。石川は24日に優勝候補の岐阜女と戦う。


 第4クオーター(Q)残り8分27秒。石川は競り合いながらもリードを保っていたが、相手の連続得点で一気に3点差まで追い上げられた。

 ここでエースの城間瑠華とガードの古謝志帆が悪い流れを断ち切った。城間がゴール下でボールを得ると、すかさず古謝に目で合図する。古謝は「来るのが分かった」と守備を引きつける城間と併走。3ポイントラインでボールを受け、3点弾を決めた。「2人の信頼関係ができていた」と納得した。

 それから流れを引き戻すと、宮城梨杏と桃宇芹奈の連続3点弾で勝利にぐっと近づいた。最後まで逆転を許さず、初出場で初戦突破を決めた。

 石川は第1Qは持ち味のオールコートプレスが機能せず、相手に速攻を許す場面が多くなった。ここでもガードの古謝は声掛けでチームに変化をもたらした。「先生の指示を信じて細かい所を指示した」と守備の強度を取り戻した。

 エースの躍動も競り合いを制した要因に。城間が中心になってボールを回し、巧みな個人技で得点を量産。第4Qにファイルを重ねて退場したが、計27点とチーム最多の得点を稼いだ。

 24日は優勝候補の岐阜女子と当たる。城間は「厳しい戦いになるが、オールコートのプレスを徹底して思い通りにさせない」と闘志を燃やした。

 (古川峻)


出だしの失点引きずる 男子・美来工科

 美来工科は出だしが悪かった。シュートがリングに阻まれたり、ターンオーバーが多かったり、ちぐはぐなまま第1クオーター(Q)で最大21点差にされた。全国総体8強の尽誠学園の圧の強さや、応援の声量に圧倒された。だが、第2Q以降に段々と勢い付く。「練習の時から流れが悪い時はいつも自分が鼓舞している」と2年の玉城宏逢。原動力となったのは2年生だった。

巧みなドリブルで切り込んだ美来工科の田仲康誠(古川峻撮影)

 玉城と同じく2年の田仲康誠の連係がはまり、第2Qからは互角に戦った。玉城は好プレーに激しく手をたたいたり、仲間に掛けよって声を掛けたりしてチームを盛り立てた。田仲はチーム2位の10得点を挙げる活躍を見せ、強豪に食らいついた。

 全国出場を決めた後、チームとして取り組んできたマンツーマンとゾーンを合わせたマッチアップゾーンも効いた。相手の攻撃を時間切れにさせるなど、流れを引き寄せた時は必ず好守備があった。

 じわじわと点差は縮まり、第3Q残り2分28秒で6点差に。だがここから地力の差が出た。3年の山城颯主将が試合中のけがで離脱する痛手もあり、個人技で点差を広げられ、「最後は力でねじ伏せられた」(宮里駿太)。

 一昨年の大会も初戦敗退だった。玉城は「同じ負けを繰り返さないように明日から切り替えて練習したい」と雪辱を誓う。3年の宮里は「この悔しさを背に来年また頑張ってほしい」と後輩に期待した。

 (古川峻)