第29回2024おきなわマラソン本番への調整 「長距離練習は2週間前まで」トップランナー倉岡弁慶さんに聞く


第29回2024おきなわマラソン本番への調整 「長距離練習は2週間前まで」トップランナー倉岡弁慶さんに聞く お尻や裏ももの筋肉を使って走るアドバイスをする倉岡弁慶さん=10日、那覇市の奥武山公園
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

  大会まで残り1カ月。本番に向けコンディションをどう整えるか。トップランナーとして活躍してきた倉岡弁慶さん(43)=ブレイクスルーランニングクラブ代表、沖縄ランナーズクラブ連合会長=に聞いた。

    ◇  ◇

 ―大会までどういう練習が望ましいか。
 「現在週に1~2回走っていると想定し、できれば3回走ってほしい。3回に1回は10キロ程度、それ以外は5~8キロ走るといい。2週間前に16~20キロを目標に走るといいが、疲れがたまるので、それ以降は長い距離の練習は終えた方がいい。前日は血流をよくするためにウオーキングする程度でいい」
 「完走を目指すのであれば、思うより遅いペースでいい。気持ちが焦って速く走りがちだが、後半の体力を残して一定のペースで走れる方が大切だ。マラソンは二つの我慢が必要だ。一つはきつい時も頑張って走ること。もう一つは元気な時に頑張ることを我慢することだ」
 ―アップダウンが激しいコースだが、攻略法は。
 「練習の際にアップダウンがあるコースを取り入れるといい。上り坂の際には、歩幅を伸ばすよりは細かく距離を稼ぐ方が使う筋力が少なく済む。後ろに重力で引っ張られないように少し前かがみになることも大事だ。前ももではなく、お尻や裏太ももを使うことを意識して走るといい。下り坂も大股だと筋力を使うし、着地の衝撃が大きい。足を細かく、ちょこまかと転がるように、同じく少し前かがみで下るといい」
 ―食事は。
 「1カ月前は普通でいいが、1週間前くらいになると生ものは控えた方がいい。練習の後には鶏肉や卵、納豆などのタンパク質を摂取するといい。3~4日前からはエネルギーを蓄えるために、炭水化物を多く摂取することが大切だ。けいれんなどは水分だけでなくミネラルの欠乏でも起きる。ミネラルが豊富なぬちまーすなどの自然塩を食事に使うこともお勧めだ」
 ―全体としてアドバイスは。
 「一番大切なのは楽しく走ることだ。走るのが苦手な人は、子どもの頃に決められた時間や距離を達成することに苦しんだ経験があるかもしれないが、楽しく走ることで長く走れるようになる。練習も楽しく走れるコースを考えるといい。住宅地だと面白い物件を探してみるなど工夫すると楽しめる。誰かと一緒に走るのもいいが、走るペースが全然違うとどちらかが苦しくなる。ペースを合わせながら走った方がいい」

    ◇  ◇

 くらおか・べんけい 1980年11月生まれ。那覇市出身、沖縄国際大卒。2008年にNAHAマラソンで3位、県勢トップ。おきなわマラソンやNAHAマラソンで解説も務めた経験がある。
 (聞き手・島袋良太)