剣道の第55回県高校冬季大会・県中学校新人大会は21日、西原町民体育館で行われた。高校、中学とも団体戦で、予選トーナメントを勝ち抜いた4チームが決勝リーグを戦った。高校は男女ともに興南が優勝し、男子は3連覇を果たした。中学男子は嘉手納が、女子は上山が制した。高校の優勝校は全国選抜(3月・愛知)の出場権を獲得した。中学は男女上位4チームが神埼市長旗全国選抜大会(3月・佐賀県)に派遣される。
粘ってつないで興南女子に栄冠 高校団体 大将・島袋が1本
昨年12月の全国大会で準優勝し、自信を付けて臨んだ興南。決勝リーグ最初の2試合は5人全員が完勝したが、事実上の決勝となった那覇との最終戦は一筋縄にはいかなかった。次鋒が勝利したが、あとは引き分けて大将戦まで勝敗はつかなかった。
「去年の決勝は自分のせいで負けてしまった」と強い思いで臨んだ次鋒の大道葉月。序盤から「攻めて攻めて相手の反撃を誘った」。相手の面の、後(ご)の先(せん)を取る小手を打ち1本勝ち。「中堅につなぐことができた」と喜んだ。
副将の又吉ねねかは先に1本取られても動じなかった。つばぜり合いで相手の力が強いと感じ、間合いを取った。面と見せかけて小手を打ち、引き分けに持ち込んだ。
「先鋒からいい流れでつないでくれた」と大将の島袋美々夏は余裕を持って臨んだ。抜き胴した相手を押し倒し、崩れた体勢を面で1本。「みんなが自分に回してくれて頑張れた」と納得した。
「最低でも引き分ける“つなぐ剣道”」で全国大会で強豪校を倒してきた。全国選抜はその時の成績を上回る優勝を目指す。「焦らず自分たちの剣道を見せたい」と大道。仲間につなぐ、興南らしい剣道を貫く。
(古川峻)
興南男子は盤石の強さ 高校団体
男子興南は決勝リーグ最終試合で5人中4人が勝利し、盤石の強さで優勝を決めた。先鋒の西原柚輝が小手を決め、次鋒の金城孝幸が面2本で勝利。残り1勝で優勝が決まる中堅の山田翼は「どこよりも練習してきた」と自信を持って臨んだ。
山田は相手が果敢に攻めてくるのを受けながら隙を伺っていた。「うしろがいる」と信頼する仲間がいため焦らずに悠然と構えた。相手が打ってきたところで、「狙っていた」と得意の合い面で一本決めた。
与那嶺寿希主将は昨年12月の全国大会で準優勝し「自信をつけてきた」と語る。全国選抜の4強入りを目指し、「日々厳しい練習をしていく」と気合を入れた。
(古川峻)
【男子】
▽高校団体準々決勝
那覇 3―1 首里東
嘉手納 4―0 向陽
小禄 4―0 開邦
▽同決勝リーグ
興南 4―0 小禄
興南 3―0 嘉手納
興南 4―0 那覇
小禄 1―0 嘉手納
小禄 4―0 那覇
嘉手納 4―0 那覇
▽最終順位 (1)興南3勝(2)小禄2勝1敗(3)嘉手納1勝2敗(4)那覇3敗
【女子】
▽高校団体準々決勝
前原 2―2 球陽
(本数差による)
小禄 4―0 コザ
那覇 5―0 昭薬付
▽同決勝リーグ
興南 2―0 那覇
興南 5―0 小禄
興南 5―0 前原
那覇 3―0 小禄
那覇 5―0 前原
小禄 3―2 前原
▽最終順位 (1)興南3勝(2)那覇2勝1敗(3)小禄1勝2敗(4)前原3敗