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金村(日本ハム)新人王奪取期す 目指すは100イニング超 <プロ野球キャンプ>


金村(日本ハム)新人王奪取期す 目指すは100イニング超 <プロ野球キャンプ> ブルペンで投げ込む日ハムの金村尚真=1日、名護市のタピックスタジアム名護(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 プロ1年目の昨季は、開幕ローテーション入りしながらもけがで途中離脱し、4試合25回の登板に終わった日本ハムファイターズの金村尚真(豊見城中―岡山学芸館高―富士大出)が淡々と己の投球に磨きをかけている。

 昨季はけがのリハビリ中に肩を強化したほか、これまで以上にウエートトレーニングに励み、胸板に厚みを持たせた。フォームもリリースで肘が下がったり、腕が横に傾きがちになったりしたため、上から振り下ろすように映像を見て投げ方を修正した。

 キャンプ初日は練習から入念にキャッチボールし、「自分の意識と感覚、ボールがしっかり合うようにやっている」と感覚を研ぎ澄ませた。

 ブルペンでは5種の変化球と直球を投げ、「甘い!」などと浮いた球に悔しさを表す一方、鋭い球には無言でうなずいた。「球はうわずっていたけど、感覚は悪くない」

 他の球団に先駆けて行われた3日の紅白戦で先発を任され、2回無失点1奪三振無四球の好投を見せた。

 プロ1年目の昨季は、「4試合しか出ていないし、0点に近い」と振り返る。4月9日に6回2失点でプロ初勝利を挙げたが、同月に右肩痛で公式戦を離れ、9月22日まで出番はお預けとなった。同日は先発6回無失点の力投で2勝目を挙げた。4試合で防御率は1・80。今季は「先発として1年間フルで出たい」と同じ轍(てつ)を踏むつもりはない。

 2年目も新人王が期待されており、金村も「(資格を)残してくれたと思うので、目指さないとだめ」と狙ってシーズンに臨む。

 その上で、力点を置くのがチームへの貢献だ。背景には、昨季チーム最多の170回を投げ、今季レイズとマイナー契約を結んだ上沢直之の存在がある。「上沢さんがイニングを投げて貢献しているのを見て、僕も勝利だけでなくイニングを投げて先発の役割を果たしたい」と、最低100回の登板を目標に掲げる。

 「このキャンプから勝負が始まっている。しっかり結果を残したい」。昨年の悔しさを胸に、目の前のやるべきことに集中している。

(古川峻)