昨季不調に苦しんだ埼玉西武ライオンズの與座海人(28)=沖縄尚学高―岐阜経済大出。開幕から1年間ローテーションを守ることを目指し、「もう一度2桁勝利をつかむ。規定投球回数(143回)をクリアし、任された試合でしっかりと投げ切る」と再起を誓う。
9日は宮崎で2度目のブルペン入り。体の動きを確認しながら68球を投げ込んだ。「(体の軸がぶれる)悪い癖を出さないよう、自分をコントロールできた」と、一定の手応えを感じている様子だった。「実戦になると投げ急ぐかもしれないので、少しずつ試したい」と春季キャンプに取り組む。
2桁勝利を挙げた2022年と比べ、昨季は安定した成績を残せず、15試合に先発し2勝6敗、防御率3・69。開幕ローテーション入りを逃し、4月に初登板したが、勝ち星を挙げられず、5月に選手登録を抹消された。
昇格後の7月下旬にシーズン9度目となる登板でやっと初勝利を挙げると、続く8月上旬の試合では、2安打無四球完封で2勝目を挙げて調子は上向くかに見えた。しかしその後は不調に陥り、9月に再び登録抹消。以降は1軍のマウンドに立てないままシーズンを終え、浮き沈みの激しい1年となった。
昨季の不調について、「一番は体重移動がうまくできず、投げるときの軸がずれたことが原因だ。正しい方向にエネルギーを伝えられず、コントロールも良くなかった」と冷静に振り返る。現在は球速にはこだわらず、投球フォームの修正を図っている。「変な癖がついてしまっていたが、正しい動きを覚えれば、それなりに投げられると分かった」と表情は明るい。「今、新シーズンに入ってもいい」と自信を見せる。
昨年6月には、沖縄で北海道日本ハムファイターズの上原健太との県勢対決で7回まで互いに無失点の投主戦を演じ、多くのファンを沸かせた。「応援の声はいつも届いている。今季は沖縄のみんなをわくわくさせるようなプレーをしたい」と意気込み、新シーズンへと向かう。
(名波一樹)