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69歳山本、車いす頂点 濱川、競技マラソン初出場で女子1位 いとまん平和マラソン


69歳山本、車いす頂点 濱川、競技マラソン初出場で女子1位 いとまん平和マラソン 10キロ車いす男子の部で優勝した山本行文=17日、糸満市西崎陸上競技場(ジャン松元撮影)
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 【糸満】第4回いとまん平和マラソンは17日、糸満市西崎陸上競技場を発着点に開催され、競技部門の車いす10キロ男子は山本行文(熊本県)が28分54秒、同女子は濱川愛(那覇市)が34分42秒でそれぞれ優勝した。

 車いす10キロは21人(うち女子4人)が参加し、17人が完走した。完走率は80.95%だった。

ゴール直前接戦制す

 競技部門車いす男子は、昨年12キロを制した上与那原寛和(沖縄市)、2位だった片倉政人(同)とゴール直前まで接戦を展開した山本行文が制した。レーサー歴43年目の69歳。「向かい風だったが、各地の大会で顔なじみの2人が前に出て風よけになってくれた。プレゼントされた優勝です」と笑った。

 全国各地の大会に挑みつつ、若手選手の支援にも注力する。今大会は若手をサポートした昨年に続いての出場で「上位を狙った」。当日は穏やかな天候に恵まれた。「暖かい環境で走れ、沖縄のトップ選手と競えたのも良かった」とレースを楽しんだ様子だ。

 一方で課題も感じている。「年齢を重ねると体力が落ちる分、自分の力をいかに推進力に変えるか。フォームが大事だ」と前を見据える。大会について「走りやすいコース。もっと周知し、県外からの参加者が増えるといい」と語った。

 (岩切美穂)


濱川「沿道の声が力に」

10キロ車いす女子1位でゴールする濱川愛

 女子1位の濱川愛(34)は競技マラソン初出場。練習で出していたタイムを縮め、自己ベストの34分42秒でゴールした。「沿道の声が力になった。すごくうれしかった」と声を弾ませた。

 前回大会で初めて、一般の部の車いすマラソンに挑戦した。「車いすでも走れるよと聞いて出た。走れることがうれしかった」と振り返る。

 3年ほど前から病気で車いす生活を送る。以前はフルマラソンに出場するほど走ることが好きだった。「沿道の応援が懐かしくて涙が出てきた。風を感じて走るのが楽しかった」

 11月に開催予定の大分国際車いすマラソン参加を狙う。「次はハーフを走りたい」と新たなゴールを目指す。

 (岩崎みどり)