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トレーニング欠かさず成果 全盲冨永さん5キロ完走 いとまん平和マラソン


トレーニング欠かさず成果 全盲冨永さん5キロ完走 いとまん平和マラソン 伴走の知念茂さん(左)、田賀麻美さん(右)らと共に5キロコースを完走した冨永実勝さん=17日、糸満市西崎陸上競技場
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 「自宅でのトレーニングは毎日欠かさない。おかげで食事がおいしく、健康です」。第4回いとまん平和マラソン5キロ障がい者男子コースを完走した全盲の冨永実勝さん(80)=宜野湾市=は、張りのある声で語った。

 農業高校の教諭だった40代、網膜色素変性症により視力の低下が始まった。57歳で全盲となり、教職を退いた。家の中を歩くのもおぼつかなかったが、元々サッカーをしていて走るのが好きだったこともあり、60歳ごろから大会に挑み始めた。

 各地の大会で、冨永さんをそばで支えるのは「沖縄伴走ランナーネットワーク」のメンバーらだ。「ロープでつながり、曲がる時は『右に3時の方向』などと分かりやすく教えてくれるから安心」と信頼は厚い。

 日課のトレーニングはランニングマシン1時間、負荷30キロのベンチプレス200回、自転車こぎ40分と少々ハードだ。「大したことない」と笑う冨永さん。月2~3回は朗読ボランティアから届く新聞コラムの音読で世の動向を把握。県視覚障害者福祉協会でパソコン入力も習って、思考力が衰えないようにしている。「体が元気なうちは走り続けたい」と前を見据えた。

 (岩切美穂)