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名護、競り合い制す 県春季高校野球開幕<第71回沖縄県高校野球春季大会>第1日


名護、競り合い制す 県春季高校野球開幕<第71回沖縄県高校野球春季大会>第1日 名護―浦添 勝ち越しの適時打を放った名護の岸本竜=20日、ユニオンですからスタジアム宜野湾(市立野球場)(名波一樹撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 第71回沖縄県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)が20日、沖縄セルラースタジアム那覇などで開幕し、1回戦5試合が行われた。名護は浦添に2―1で競り勝ち、糸満は浦添工に9―0で八回コールド勝ちした。北山は普天間に10―0で、美来工科は久米島に12―0でそれぞれ五回コールドで勝利した。読谷は向陽・南部工に10―2で七回コールド勝を収めた。21日は3会場で1回戦6試合を行う。

名護・岸本、殊勲勝ち越し打 名護―浦添

 名護の岸本竜(2年)が復調を感じさせる一打を放った。昨秋の県大会は腰のけがで力を発揮できず「春はチームに貢献したい」と決めていた。その言葉通り、同点で迎えた八回に右方向の適時打でチームに勝利を呼び込んだ。

 秋季大会でチームは2回戦で敗れた。岸本は悔しさを胸にリハビリに励み、冬に鍛錬を積んだ。右打者の岸本は、置きティー打撃で逆方向へ飛ばすよう意識。休みの日も自主練習に励んできた。

 迎えた春季大会の初戦、相手投手の変化球に苦戦して凡打が続いた。それでも諦めず、同点の八回2死一、二塁の好機に「自分が決める」と打席に立った。これまで的を絞れていなかったが「来た球を素直に打とう」と、向かってきた外角真っすぐを一振り。

 練習でイメージしたように打球が逆方向に飛び、逆転の走者が生還した。岸本は拳を掲げて喜びを爆発させた。

 當銘樹監督は「この子が打たなければ誰が打つ。努力してきたのをたくさん見てきた」と、ヒーローをたたえる。岸本は「地に足を着けて、この勢いのまま全力で戦う」とチームを勝利へと導くつもりだ。

 (名波一樹)

 ●浦添 逸機を悔やむ主将の又吉郁斗 0点が続く試合の中、残塁が多かったのが課題だ。守備はできていたが、ここ一番での一打が出なかった。夏に向けて、つなぐ野球をモットーとしてチームで打力を上げていきたい。


<20日の結果>

▽1回戦
北山 10―0 普天間 (五回コールド)
糸満 9―0 浦添工 (八回コールド)
読谷 10―2 向陽・南部工 (七回コールド)
美来工科 12―0 久米島 (五回コールド)
名護 2―1 浦添

<21日の試合>

▽1回戦
【西崎】9時半
豊見城―昭薬付
南部農林・開邦・真和志―コザ

【宜野湾】9時
美里工―嘉手納
那覇工・首里東―名護商工・本部・辺土名・北部農林

【セルスタ】9時
KBC未来―宜野湾
前原―八重山農林