第71回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第4日は24日、沖縄セルラースタジアム那覇などで1回戦6試合を行った。沖縄カトリックは球陽に3―2で競り勝ち、沖縄水産は1―0で八重山を下した。知念は八重山商工を3―1で破り、与勝は南部商・豊見城南・那覇西に7―5で勝利した。北中城は南風原を5―1で、首里は美里を2―1で退けた。25日からはシード校の興南や宜野座も登場し、3会場で2回戦8試合を行う。
1点リードされる展開が続いた沖縄カトリック。八回の好機で、それまで無安打だった主将の仲里憲哉が勝ち越し打を放ち、逆転で1回戦突破を決めた。
エースの楊仕祥は相手打線に安打を許しながらも八回まで1失点と踏ん張った。一方で打線は三塁まで進むも、あと一本が出ず本塁が遠かった。
迎えた八回の攻撃。豊里祥矢が四球、楊が敵失で出塁。安部尚哉が野選を誘発して同点とした。なおも続く1死一、三塁の好機に仲里が打席に立った。それまでの3打席はヘッドが下がって、全て抑え込まれていた。八回はライナー性の打球を放つことを意識して外角の直球を振り抜くと、右翼への適時打となった。九回に球陽に1点差まで詰め寄られたが、楊の粘投で逃げ切った。
チームは1年生が主体だ。2年生・三浦拓翔の誕生日だったこともあり、「先輩のために負けられなかった」(仲里)と後輩たちが奮起した。三浦も「信頼感のある仲里がチームをまとめてくれる」と笑顔。殊勲打を放った仲里は「次は初回から得点につなげたい」と、主将としてチームをまとめながらも次の1勝を狙う。
(屋嘉部長将)
球陽
000 100 001 |2
000 000 03×|3
沖縄カトリック
(球)宮城、上地、山口―山口、上地
(沖)楊―宮良
▽三塁打 宮城(球)、中曽根(沖)
▽二塁打 山口、知花(以上球)、中曽根、仲里(以上沖)
●球陽 後半の失点を悔やむ主将の知花築 リードしていたのに後半粘れずただただ悔しい。1プレーで無駄なランナーを出してしまい、守備で崩れた部分があった。
沖水、1点守り切る 黒木、初先発で完封 八重山―沖縄水産
マネジャーから先発へ。沖縄水産の投手・黒木駿は入学当初は選手ではなかった。白球を追う選手の姿に心を動かされ、投手として野球人生を再スタート。鍛錬を重ねて迎えた春大会、先発登板で完封勝利を飾り「100点だ」と誇らしげな表情をみせた。
内野手だった中学生時代に練習で負傷し、高校ではマネジャーを担ったが、再び選手としての道を歩み出した。新チームになった昨秋の大会は投げられず、悔しさを糧に練習に打ち込んだ。努力は実り、今大会で先発として初めてマウンドに立った。低めに集めた直球に変化球を織り交ぜ、相手打線を封じ込む。以前の球速は120キロ台だったが、冬を越え最速135キロの力を身につけた。
1―0で迎えた最終の九回2死一、二塁。一打逆転のピンチにも「芯を外してフライにする」と自信を持って腕を振った。得意のカットボールで詰まらせ遊飛とし、1点を守り切った。黒木は127球を投げ、6奪三振で無失点。上原忠監督は「初めは5、6番手だったが、先発も任せられるようになった」と黒木をたたえた。
上原監督は今大会を最後に沖縄水産から異動する。最後の大会を優勝で飾るため、チームは頂点を目指して突き進む。
(名波一樹)
八重山
000 000 000 |0
000 010 00×|1
沖縄水産
(八)渡嘉敷―平田
(沖)黒木―西井
▽二塁打 新田(沖)
●八重山 再戦に雪辱を期すも惜敗した主将の平田謡大 接戦を制する力が足りなかった。沖縄水産には昨年の秋大会2回戦で、1点差で負けた。今度こそ勝つつもりだったが、今回も1点差になってしまった。夏に向け、一人一人が成長していきたい。
<24日の結果> ▽1回戦 与勝 7―5 南部商・豊見城南・那覇西 沖縄カトリック 3―2 球陽 沖縄水産 1―0 八重山 北中城 5―1 南風原 首里 2―1 美里 知念 3―1 八重山商工
<25日の試合> ▽2回戦 【セルスタ】9時 興南―石川 宜野座―小禄 KBC未来―嘉手納 【宜野湾】9時 名護―具志川 北山―糸満 コザ―那覇工・首里東 【西崎】9時半 読谷―美来工科 豊見城―前原