プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は6日、沖縄アリーナで千葉ジェッツ(東地区3位)と対戦し、85―76で勝利し、5連勝となった。通算成績は36勝13敗で西地区首位を保っている。前半からお互いに得点の取り合う展開となった。千葉Jは富樫勇樹を中心にスピードを生かした攻撃を仕掛けるが、キングスは激しい守備で3点弾を1本しか決めさせなかった。キングスはジャック・クーリーを中心としたインサイドの高さを生かし、リバウンドを死守。今村佳太の4本の3点弾などで得点を重ね、45―36で折り返した。後半に入っても堅守で抑え込み点差を広げたキングス。第4クオーター(Q)に入ると千葉Jに5本の3点弾を決められ、追い上げられたが、荒川颯の2本の3点弾などが要所で決まり、逃げ切った。キングスの次戦は7日午後6時5分から沖縄アリーナで千葉Jと対戦する。
3月の天皇杯決勝で千葉Jに48点差をつけられたキングス。歴史的な大敗となった試合の後、千葉Jとの最初のリーグ戦で激しい守備と積極的なリバウンドを見せ、レギュラーシーズン最多となる8557人の観客の前で大きな1勝を手にした。
前半から千葉Jのエース富樫勇樹の3点弾を抑え込んだ。最初の得点こそ3点弾で決められてしまったが、小野寺祥太や荒川颯を中心にさまざまな選手が代わる代わるついて、3点弾を決めさせなかった。ジャック・クーリーがつくなどスピードのミスマッチが生まれても、ほかの選手がその先で対応するなどし、チームとして守り切った。
相手外国籍選手が2人欠場している中で、高さで優位となったインサイドではリバウンドで17本差をつけて、千葉Jを圧倒した。インサイドの大黒柱のクーリーだけでなく、速さのあるヴィック・ローを中心に攻守でリバウンドを積極的に取りに行き、セカンドチャンスにつなげ、速攻を受ける回数を抑え込んだ。
勝利したものの、第4クオーターに3点弾を5本決められたり、富樫を中心に速さのある攻撃から得点を取られたりするなど課題も見えた。得点とリバウンドのダブルダブルだけでなく、6アシストしたローは「明日(7日)も勝つことでチームにとっていい流れになる」とさらに前を向く。
試合後、桶谷大HCも大勢の観客の前で「明日勝って、初めて天皇杯の借りを返せる」と、連勝に向け気を引き締めていた。
(屋嘉部長将)
今村、3点弾5本で貢献
ここのところ3点弾の本数が伸びていなかった今村佳太が、2023年12月以来の1試合5本を決めて、チームトップの18得点を挙げた。
前半からチームでボール回しをし、千葉Jの守備を崩す場面を多くつくった。その中で今村は前半だけで4本の3点弾を沈めた。後半に入ると、千葉Jが守備を修正し、なかなか外から決められない状況が続いたが、第4クオーター残り6秒でヴィック・ローからのパスをもらい、冷静に右コーナーから決めた。
最近は3点弾のフォームやタイミングで課題を感じていたという今村。千葉J戦に向け、この1週間は練習に力を入れてきていた。「フォームとタイミングの二つがうまくはまってきている」と手ごたえを感じているようだ。
千葉Jは負傷者が多く万全ではないと前置きしながらも「ここで2連勝することで後半戦やチャンピオンシップ(CS)に向けて自信につながってくる」と今村。連勝に向けて、すでに7日の試合へ気持ちを切り替えていた。
(屋嘉部長将)
(沖縄アリーナ、8557人)
キングス 36勝13敗
85―76(23―21,22―15,16―13,24―27)
千葉J 31勝18敗
プラン通りできた
桶谷大HC(キングス)の話 天皇杯の負けを受けて、戦略的なところで変化をつけ、戦術も変えて、それなりに効いていた。みんなが落ち着いてプラン通りできた。3点弾は抑えられたが、何個かはエラーが出てしまった。さらにターンオーバーが続いてしまったところがあったので、しっかり目的を持って攻撃にいけるようにしたい。
9人はしんどかった
ジョン・パトリックHC(千葉J)の話 ファイブアウトでボールを動かし、シュートをしたかったが、(出場者が)9人はとてもしんどかった。勝つチャンスが全くなかったわけではなかったが、もったいないターンオーバーがありすぎた。リバウンドでも5人が取りに行くことが大切になる。もっとガードも取りに行かないといけない。