ソフトボールの第60回女子春季高校大会決勝は20日、北谷町の桑江総合グラウンドで行われ、読谷が4―2でコザを破って優勝を果たした。優勝の読谷と準優勝のコザは九州大会(5月11、12日、大分)の出場権を得た。
長嶺 うっぷん晴らす満塁弾
逆転の一打で不調を吹き飛ばした。読谷の3番長嶺芽依は大会前からここまで打撃不振に苦しんでいた。コザの背を追う決勝。1死満塁で、走者一掃の逆転ランニング本塁打を放った。チームの優勝を引き寄せ、「納得のいかない球ばかりだった。ここで打ててうれしい」と安堵(あんど)とともに笑みを浮かべた。
初回に先制点を許し、出はなをくじかれた。直後の長嶺の初打席は、チェンジアップに手を出し凡打に。迎えた三回。ここまで三振や凡打に封じられた読谷は、一人、また一人と出塁し、あっという間に満塁へたどり着いた。
逆転の好機は、打ちあぐねていた長嶺に回ってきた。「直球に絞る」と我慢強く球を見定め、外角低めの真っすぐを振り抜いた。長打を確信できなかったものの、白球は風に乗って右奥へと伸びる。「よっしゃ」と心の中で叫び、仲間の声援の中を駆け抜け本塁を踏んだ。チームはその後1失点を許したが、逆転は許さず逃げ切った。
コザの5連覇を阻止した読谷の渡口竜也監督は「先輩たちがコザに負けていたので、勝てて良かった。緊張しながらも守り切った」とたたえた。5月に九州大会へ挑む。長嶺は「決勝のように、チームバッティングで勝ちたい」と力を込める。勢いのまま頂点を目指す。
(名波一樹)