重量挙げの第84回全日本選手権大会・第38回全日本女子選手権大会が26日、長崎県の諫早市小野体育館で開幕した。女子55キロ級の比嘉成(名桜大1年)はスナッチ91キロ、ジャーク106キロ、トータル197キロで1位となった。スナッチは日本記録、トータルはジュニア日本記録となった。男子55キロ級の天久星七(本部高1年)はスナッチ105キロ、ジャーク115キロ、トータル220キロで4位に入った。同級の知念育利(南部農林高―金沢学院大4年)はスナッチ87キロ、ジャーク121キロ、トータル208キロで6位だった。
大学初の舞台で日本新記録を打ち立てた。比嘉成(名桜大1年)はスナッチ91キロで日本記録を1キロ更新し、トータルで197キロで優勝。12月の世界選手権の標準記録も達成した。「選考を突破できる可能性も見えてきた」と安堵(あんど)した様子だった。
高校生最後の大会となった2月末の全日本ジュニアでの優勝以降、不調が続いていた。引くタイミングを1秒ずらす、後ろに1ミリもたれるなど、寸分の細かな修正を行った。
ところが、スナッチの1本目は落としてしまった。「体がはまらず、ふわふわしていた」と、修正前のフォームに戻った感覚だった。それでも2本目で同じ重量を成功させた。
スナッチ最後の3本目は日本記録に挑戦。理想には届かないが、少し感覚は取り戻していた。焦りもあったが「これを取らないと(世界選手権に)出られない」と強気でバーベルを挙げ、同じ県勢の佐渡山彩奈(宮古高―平成国際大出)の日本記録を上回った。
続くジャークは1、2本目と難なく成功。ただ3本目は挙げた瞬間に立ちくらみし、落とした。ジャークも1位だが「ダメージは大きい」と悔しさが残る。
父の敏彦さんは「大学に入ったばかりの慌ただしい中としては及第点だ」と語る。親子が見据えるは12月の世界選手権、そして4年後のロス五輪だ。比嘉は「ロスを目指すプランの中、それまでの大会でも記録を塗り替えていきたい」と頼もしかった。
(名波一樹)
天久、55キロ級で4位 自己最高1キロ更新
男子55キロ級の天久星七(本部高1年)は、高校入学後初の大会で、社会人や大学生も出場する中、スナッチ種目で1位になった。ジャークは7位でトータル4位。「自己ベストも出て良い刺激になったが、ジャークでとれなくて悔しい」と目標は高かった。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/04/13-2-1.jpg)
スナッチは引きから感触が良かった。2本目で自己ベストを1キロ更新する105キロを成功させた。3本目はさらに記録を伸ばそうと106キロに挑むが失敗。それでもスナッチは1位で終えた。ただ、ジャークの2本目以降は軸がずれ、重心が前寄りになって落としてしまった。
天久は「スナッチは高更新記録の110キロ、ジャークは120キロ以上が目標。次は6本全て成功させる」と思いをたぎらせ、練習にはげむ。
(名波一樹)
痛みで振るわず
![知念育利](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/04/13-3.jpg)
男子55キロ級6位の知念育利の話 昨年12月に両手首の腱鞘(けんしょう)炎と両肘の腱炎(けんえん)を発症し、十分な練習ができなかった。ジャークで左膝と腰に痛みが出てしまい、成績が振るわなかった。7月の西日本インカレに向けてコンディションを立て直したい。