空手道の第20回県少年少女選手権大会の組手競技が12日、那覇市の県立武道館で行われ、小学6年男子は福地絢之丞(与那原)、女子は嶺井想七(安慶田)がそれぞれ優勝した。福地は2022年大会に次いで2度目、嶺井は初優勝。
各学年の優勝、準優勝選手は第24回全日本少年少女選手権大会(8月8~10日、東京武道館)に派遣される。
嶺井、打ち合い制す
両者一歩も譲らない白熱した打ち合いに、会場が沸き上がった。嶺井想七(安慶田)が念願だった初優勝を手にした。「とてもうれしい。優勝はずっと目標だった」と喜びをかみしめた。
前足を踏み込んだ刻み突きに加え、再度踏み込んだ逆突きのワンツーで先取し、流れをつかんだかと思えば、相手の大城利歩(前田)も果敢な攻めを見せた。激しい攻防が続く中、大城が放った中段突きがみぞおちに入り、おなかを抱えて苦しむ場面も。会場から「無理して立たなくていいよ」という声が響いた。
嶺井は「痛すぎて周りの声は聞こえなかった」と苦笑い。ひやりとするシーンもあったものの、再度立ち上がった。
観衆が固唾(かたず)をのんで見守る中、積極的に前に出て相手との間合いを詰め、素早く踏み込んだ。上段追い突きが相手のあごの辺りを捉えると1本を示す旗が上がった。4―3の激戦を制すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
「予選では打ち終わりに気を抜いた瞬間、突かれる場面があった」と課題を口にした。今大会での収穫を手に、攻め続ける自分らしい空手を突き詰める。
(渡真利優人)
福地、流れつくり圧倒
「周りの空気がすごかった。プレッシャーを感じていた」と決勝戦を振り返った福地絢之丞(与那原)。
一瞬の隙を突いた中段突きで先制し、試合の流れをつくり、相手の名城虎冴(彩橋)を圧倒した。
福地は「(名城は)突きにスピードがあり、蹴りにも勢いがある」と警戒していた。果敢に相手の懐に攻め入り、6点中5点は中段突きで得点を重ねた。「得意の上段刻み突きが使えなかった」と残念そうに語るも、相手の動きを素早く察知し、自分のペースに持ち込んだ。
今大会について「構え直した時に慌ててしまい、思うように技が繰り出せなかった」と振り返る。「全国ではベスト4を目指したい」と力を込めた。
(渡真利優人)