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キングス1勝もぎ取る 小野寺が3連続3点弾 決勝懸けあす対戦<Bリーグ>CS準決勝第2戦【19日の試合】


キングス1勝もぎ取る 小野寺が3連続3点弾 決勝懸けあす対戦<Bリーグ>CS準決勝第2戦【19日の試合】 キングス―千葉J 第3Q、オフェンスリバウンドを奪取後、そのままシュートを狙って相手のファウルを誘い、雄叫びを上げるキングスのジャック・クーリー=19日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 プロバスケットボールBリーグ1部の年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)のセミファイナル(SF、準決勝)が19日、沖縄アリーナなどで行われた。琉球ゴールデンキングス(西地区2位)はワイルドカード下位から勝ち上がった千葉ジェッツ(東地区3位)と第2戦に臨み、81―63で勝利し、成績を1勝1敗とした。キングスは21日午後7時5分、沖縄アリーナで千葉Jと決勝進出を懸けて対戦し、勝てば3年連続の決勝進出となる。18日の試合とは違い、前半からキングスは攻守ともに強度が高く試合を進めた。今村佳太の2連続3点弾などでリードする展開をつくるも、第2クオーター(Q)に千葉Jにスピードを生かされた攻撃で点差を縮められた。そこから小野寺祥太の3連続3点弾が決まり、43―33で折り返す。後半に入ってもキングスの攻守の質は落ちなかった。ヴィック・ローがファウルを受けながら得点を決めた上にフリースローも沈め、3点プレーを成立させる。ジャック・クーリーも前半からの好調を維持して得点を決め続け、追いかける千葉Jを突き放した。準決勝もう1試合は、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが84―77で広島ドラゴンフライズに勝利し、こちらも1勝1敗となった。


クーリーら攻守で奮闘

 ファイナル(決勝)進出へ後がなくなり、絶対負けられないセミファイナル(準決勝)第2戦。大差で敗れた18日の試合後、岸本隆一が「最初から自分たちがリードを奪って相手の攻撃をつぶす」と話していた通り、序盤から激しい攻守を貫き、千葉Jに流れを渡さなかった。

 アレン・ダーラム、岸本、小野寺祥太、ジャック・クーリー、今村佳太という今シーズンの多くの試合で先発した5人が流れを作った。けがで本調子ではない今村を先発起用。その今村の2連続や小野寺祥太の3連続の3点弾など外からのシュートを高確率で沈めた。

 千葉Jにリバウンドで12本差をつけるなどインサイド陣の奮闘もチームを攻守で支えた。ジャック・クーリーはオフェンスリバウンドからの得点だけで10得点。アレン・ダーラムは外から飛び込み16リバウンドを挙げた。目立ったスタッツはなかったが、アレックス・カークも体を張ってゴール下を守り、タップして味方にリバウンドを取らせるなどチームを支えた。

 フィールドゴールの確率70%超でチーム最多の25得点を挙げ、12リバウンドをマークしたクーリー。「千葉Jにはリバウンドの優れた選手がいる。その中でリバウンドをコントロールできたのは非常に大きな意味を持っている」と自信を見せる。

 決勝進出が懸かる第3戦へ「ハードにスマートにプレーすることが鍵になってくる。そこを遂行して勝てるようにしたい」と気を引き締めた。

 (屋嘉部長将)


勝ちたい気持ち表現

第2Q、3点シュートを決めるキングスの小野寺祥太

 「勝ちたい気持ちが守備で表現できていた」(小野寺祥太)とキングスのチームディフェンスが戻り、18日の試合で95点取られていた千葉Jの攻撃を63点に抑え込んだ。

 千葉Jのエースで司令塔の富樫勇樹をいきなり小野寺が守備で抑え込む。さらに小野寺とジャック・クーリーのダブルチームで富樫のパスミスを誘った。キングスのビッグマンもスピードのある相手選手といいポジションを取りながら守った。ビッグマンが簡単に突破させなかったことで、小野寺や岸本隆一らガード陣が激しく当たることができた。チーム全体で連動し、高い守備を貫徹した。

 観客数はホーム最多の8643人。序盤から気迫の守備で抑え込むキングスに歓声を送り、選手の気持ちを支え続けた。

 2戦先勝方式のため21日の第3戦で勝負が決まるが、引き続き守備の強度が鍵を握りそうだ。小野寺は「一人一人がアグレッシブにやっていれば結果がでる。いい流れを持ってこれるよう、出だしからファイトしたい」と守備職人としてチームを引っ張り続けるつもりだ。

 (屋嘉部長将)


【B1チャンピオンシップ】
▽準決勝第2戦(沖縄アリーナ、8643人)
 琉球(西地区2位)1勝1敗
 81―63(23―13,20―20,19―15,19―15)
 千葉J(ワイルドカード)1勝1敗

プラン通りの守備

 桶谷大HC(キングス)の話 (18日の試合で)ターンオーバーから25点、セカンドチャンスで18点取られたが、みんながプラン通り守備を遂行してくれたので、今回の失点になった。今日は最初からみんな気持ちが入っていた。次に勝ったチームが上に行ける。今日くらいの気持ちと強度を持って戦いたい。

油断した

 ジョン・パトリックHC(千葉J)の話 きょうは最初から琉球の強度が高く、一生懸命やっていた。ホームグラウンドのために戦っていた。うちがリラックスしすぎた。昨日(18日の試合)の結果でちょっと油断した。第3戦が火曜日にあるので、真剣になって集中してやりたい。