レスリングの明治杯全日本選抜選手権は23日、東京体育館で開幕して男女計9階級が行われた。男子グレコローマンスタイル87キロ級の鶴田峻大(沖縄尚学高出―自衛隊体育学校)は決勝で高谷惣亮(拓大職)を4―0で下し、優勝を果たした。同82キロ級では4月のアジア選手権を制した18歳の吉田泰造(香川・高松北高)が決勝で岡嶋勇也(警視庁)にテクニカルスペリオリティー勝ちして初優勝した。女子72キロ級は石井亜海(育英大)が優勝。男子フリースタイル92キロ級では石黒峻士(MTX GOLDKIDS)が頂点に立った。大会は非五輪階級の世界選手権(10月・アルバニア)の代表選考会を兼ねる。パリ五輪代表は出場しない。
鶴田峻大(自衛隊体育学校)の積極的な攻めが光った。決勝の相手は男子フリースタイルで五輪3大会出場の経験がある高谷惣亮(拓大職)。難敵との一戦を「負けられない相手だった」と振り返った。
第1ピリオドから前に出るレスリングで流れをたぐり寄せた。残り4分30秒、パッシブ(消極的姿勢)で1点を先取すると、パーテレポジションからローリングを決め、2点を追加した。「華麗な技があるわけではない。自分の流れに持ち込むために果敢に攻めた」
第2ピリオドでは、再びパッシブで1点を奪った。グラウンドポジションの好機を迎えたが、粘りを見せた高谷に逃げ切られた。「チャンスの場面で得点できなかったことは課題だ」と反省を口にした。
体調不良で体重が落ち、今大会は87キロに階級を下げて挑んだ。「万全のコンディションではなかったが、優勝できた意味は大きい」と力を込めた。「階級を定め、自分らしいレスリングを追求したい」と言い、ロス五輪に照準を合わせ前進するつもりだ。
(渡真利優人)
【男子グレコローマンスタイル】
▽87キロ級決勝
鶴田(自衛隊) 4―0 高谷(拓大職)