沖縄県高校総体は29日、先行開催の2競技を各地で行った。テニスの男子ダブルスは喜久川楓・越村昭斗(沖縄尚学)が頂点に立った。喜久川はシングルス、団体と合わせて3冠となった。女子ダブルスは水口由貴・井手葵(同)が、同シングルスは宇都宮早絵(同)が栄冠をつかみ、それぞれ団体と合わせ2冠となった。バドミントンの男子シングルスは松茂良琉斗(コザ)が3年連続の優勝を果たし、ダブルス、団体と合わせ3冠を達成した。女子シングルス優勝の眞鶴三愛(普天間)も3冠となった。
強み生かし合い8―2圧勝 喜久川・越村
1年時の総体が終わってから、県内大会で負けがないという喜久川楓(沖縄尚学3年)が、最後の県総体でダブルス、シングルスで連覇し、団体と合わせ3冠を達成した。「連覇も意識していたけど、自分たちのステージは全国。ここで満足してはいけない」とさらなる高みを見据えた。
ダブルスは想定していた同校対決ではなく、那覇西の比嘉輝・次呂久由恭との対戦になった。同じクラスの同級生も応援に駆けつけ奮起した。1ゲーム目を取られたが、「かえって安心した」と追いかけるつもりでゲームを連取。8―2で圧勝した。
ボレーやリターンが得意な相方の越村昭斗(沖縄尚学2年)と互いの強みを生かし合っている。喜久川が強スピンがかかったフォアハンドで押し、相手の甘い返球を越村が前衛で決める。ダブルス2連覇の越村は「楓さんも調子の波がある。自分がプレーを安定させたい」と意欲を語る。
全国大会の目標はダブルスで3位以上、団体で8強入りだ。団体は1、2年生が中心になる見込み。喜久川は「自分が上位に入る姿を見せて後輩たちにつないでいきたい」とチームを引っ張る。
(古川峻)
宇都宮(沖尚)女子単V 同校の実力者破る
女子シングルスは宇都宮早絵(沖縄尚学2年)が同じ高校の実力者を破り優勝した。3連覇を狙っていた水口由貴を準決勝で、昨年国体ダブルス3位の井手葵を決勝で退け「1年の時から練習で勝てず、ずっと憧れてきた先輩や同級生に勝てうれしい」と笑顔を見せた。
今大会はフォアのストロークショットが絶好調だった。決勝は先にブレークされたが、「自分にはストロークの武器がある」と慌てることはなかった。3―4の時にブレークすると連続でゲームを奪い逆転。その勢いのまま勝利した。
相手に振られた時の返しなど、ストロークの精度をさらに高めるつもりだ。個人戦で高校初の全国大会は「目標はできるだけ高く」と頂点を目指す。
(古川峻)
水口・井手 勝負どころで強さ 女子ダブルス、同校対決制す
女子ダブルスは昨年の全国総体ダブルス覇者の水口由貴(沖縄尚学3年)と、国体3位の井手葵(同2年)が同校対決の決勝を8―2で快勝した。連覇した水口は「ダブルスは勝つより楽しくやるこがモットー。いいプレーができた」と笑顔を見せた。
40―40など勝負どころで強さを発揮した。日頃の練習相手に対し、「弱点や得意なパターンが分かっていた」と水口。ボレーが苦手な相手にストレートを打ってミスを誘うなど、弱点を突いた。
水口の昨年の全国一は、「楽しんでいたらいつのまにか勝っていた」という。井手は全国へ「プレッシャーもあるかもしれないけど、いつも通りやりたい」と肩肘張らずに臨む。
(古川峻)
(奥武山運動公園庭球場)
【男子】
▽シングルス5位決定戦決勝
梅田琉聖(沖縄尚学) 6―1 越村昭斗(沖縄尚学)
▽同3位決定戦
大城優心(沖縄尚学) 7―6 日渡翔己(沖縄尚学)
▽同2位決定戦
大城 8―6 金城朝夢(沖縄尚学)
▽同決勝
喜久川楓(沖縄尚学) 8―5 金城
▽ダブルス3位決定戦
三宅貫太・金城朝夢(沖縄尚学) 6―2 梅田琉聖・松浦匠之介(沖縄尚学)
▽ダブルス決勝
喜久川楓・越村昭斗(沖縄尚学) 8―2 比嘉輝・次呂久由恭(那覇西)
【女子】
▽シングルス5位決定戦決勝
嘉数ちひろ(沖縄尚学) 6―4 里歩美(沖縄尚学)
▽同3位決定戦
水口由貴(沖縄尚学) 6―3 渡久地杜生(沖縄尚学)
▽同2位決定戦
水口 8―2 井手葵(沖縄尚学)
▽同決勝
宇都宮早絵(沖縄尚学) 8―5 井手
▽ダブルス3位決定
田中音色・近藤海里(沖縄尚学) 6―1 嘉数ちひろ・里歩美(沖縄尚学)
▽ダブルス決勝
水口由貴・井手葵(沖縄尚学) 8―2 渡久地杜生・宇都宮早絵(沖縄尚学)