全九州高校体育大会は15日、九州各地で行われた。重量挙げでは男子67キロ級で比嘉功(本部)がスナッチで大会新となる107キロを挙げ、ジャーク122キロ、トータル229キロで2位に入った。女子55キロ級の大村朱音(沖縄工)はスナッチで67キロの大会新記録を出し、トータルは148キロで2位だった。女子59キロ級の金城凜香(嘉手納)はトータル137キロで優勝に1キロ及ばなかった。
中学から全国優勝も果たし、県内で負けなしの強さを見せていた男子67キロ級の比嘉功(本部1年)。スナッチで大会新記録となる107キロをマークするも、トータルで1位と10キロ差をつけられ高校カテゴリーの壁を知ることとなった。「現実を見せられた」と悔しさを隠せなかった。
スナッチは当初105キロスタートの予定だったが、上位が接戦だったこともあり、107キロを選択した。アップから軽かったと成功させ、2本目は自己ベストを1キロ更新する113キロ。しかし、「何でか分からない」と失敗。同じ重量の3本目も、肘が曲がってしまい、得意種目でミスを続けてしまった。
ジャーク1本目はトータル3位以内を決めるために112キロを選び成功。2本目は試技ではやったことのない自己ベスト2キロ超えの122キロに挑んだ。「重く感じたが、ここはやらないといけない」と差しきった。さらに記録を狙った125キロは、一気に重量を上げた代償か立ちくらみに襲われ、いつの間にかバーベルを落とし、「気づいたら目の前が床だった」
学年の壁を感じる大会となったが「ここで自分(の実力)、課題を知れた。全国では『やるぞ』という気持ち」と前を向く。1年生で全国総体の頂点を狙う。「250キロ以上で優勝しなければ」とあらためて気合を入れた。
(屋嘉部長将)
満身創痍の中で2位 女子59キロ級・金城(嘉手納)
3週間前に左太ももを肉離れし、満身創痍(そうい)の状態で挑んだ金城凜香(嘉手納2年)だが、女子59キロ級でトータル2位となった。それでも「1キロ差で負けて悔しい」と頂点に届かず、涙を流した。
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痛みが少しある中、70~80%の力は出せた。スナッチは3本成功させた。ジャークは「意外と軽かった」と74キロ、77キロと成功。最後の79キロはこれまでの試技の影響で足に痛みが出て失敗してしまった。
左太ももをかばい、ほかの場所を痛めてしまうなどギリギリまで苦しんだ。欠場も考えたが、周囲の支えもあり「地元で挙げているところを見てもらいたい」と出場を決めた。7月には全国高校女子競技会が控える。「まずはけがを治して6位入賞できるようにしたい」と気持ちを切り替えた。
(屋嘉部長将)