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八重山農林逃げ切る 二桁安打の打ち合い制す 夏の甲子園県大会第1日


八重山農林逃げ切る 二桁安打の打ち合い制す 夏の甲子園県大会第1日 八重山農林―小禄 5回2死一、二塁、適時二塁打を放つ八重山農林の西里秋萌=22日、沖縄セルラースタジアム那覇(喜瀬守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 第106回全国高校野球選手権沖縄大会は22日に沖縄セルラースタジアムなどで開幕し、1回戦6試合が行われた。八重山農林は小禄を7―5で下した。首里東は辺土名・北部農林に18―0で五回コールド勝ちした。八重山商工は5―4で豊見城に競り勝った。宮古は北谷に7―0で八回コールド勝ちを納めた。久米島は陽明に5―0で勝利した。宮古総実・宮古工は八重山を3―2で破った。23日は3会場で8試合が行われる。


 八重山農林が両チーム二桁安打の打ち合いを制し、現チームで公式戦初勝利をつかみ取った。逆転に次ぐ逆転の展開だった。初回に先制を許すも裏の攻撃で逆転。再びリードを許したが背を追い、五回のビッグイニングでひっくり返した。

 打力はあるものの、追加点を奪えず勝利を逃すことが多かった。夏に向け打撃はもちろん、内野ノックなど守備練習も徹底した。上地凜汰主将(3年)は「好機はつくれる。(そこで)1本出すんだ」と言葉に出し続けてきた。だが点を奪い返した序盤、相手スタンドを埋める応援にのまれ、流れを渡した。

 2―4で迎えた五回は主将の言葉通りのイニングとなった。2死一、二塁で5番・西里秋萌(3年)が中方向へ同点の適時二塁打を放つ。さらに2死満塁の場面で、無安打に倒れていた8番・前津真己斗(3年)が左翼線へ大きい当たりを放ち2点を奪った。相手の暴投もあり、この回だけで5得点を挙げ逆転した。

 守備では野手陣が安打性の打球にもガッツで飛びつき、その後は1失点で逃げ切った。

 現3年生の入学とともに赴任した伊波大吾監督は「彼らが欠けることなくここまでやって、最後の夏に初勝利できた」と語る顔は喜びにあふれていた。

 (名波一樹)