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【図解あり】首里城に玉座の「羽目板」搬入 ブドウやリスの文様 沖縄県立芸大が製作


【図解あり】首里城に玉座の「羽目板」搬入 ブドウやリスの文様 沖縄県立芸大が製作 羽目板を手にする県立芸大の長尾恵那准教授=22日、那覇市の首里城公園(ジャン松元撮影)
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 2026年秋の完成を目指し、再建工事が進む首里城正殿に22日、玉座に当たる正殿2階の御差床(うさすか)の、須弥壇(しゅみだん)に取り付ける木彫刻物の「羽目板(はめいた)」が搬入された。今後は、国により塗装作業が行われ、25年夏ごろにかけて完成する予定。

 搬入された羽目板は、正面6枚と左右の側面各3枚ずつの計12枚。奈良県から調達した国産ヒノキに、琉球漆器に施されることが多い葡萄(ぶどう)や栗鼠(りす)の文様が彫刻されている。

 平成の復元時には、琉球大学名誉教授の西村貞雄氏が寸法記を参考に描いた下絵1枚を基に、台湾で彫刻が行われた。令和の復元では、県の首里城復興基金を活用し、県立芸術大学の教員など4人が下絵から製作までを担当した。

 製作に携わった県立芸術大学彫刻専攻の長尾恵那准教授は、今回復元された羽目板には琉球の要素を取り入れたいとの思いから、琉球漆器を基に下絵を作成したと説明し「(羽目板を)鑑賞する際、沖縄に残っている漆器に興味を持つきっかけになってもらえれば」と笑顔で話した。

 (與那原采恵)