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<記者コラム>長くやる意味 屋嘉部長将(暮らし報道グループ運動班)


<記者コラム>長くやる意味 屋嘉部長将(暮らし報道グループ運動班)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 「このドライブ、どこかで見たことある」。7月にあったバスケット県社会人大会でプレーを撮影した時のことだった。メンバー表を見ると豊見城高時代に取材した赤嶺有奎さんだった。覚えていないだろうと思っていたが「お久しぶりです」と赤嶺さんから声をかけられた。取材もしながら、高校卒業後の話で会話が弾んだ。

 カメラマン時代を含め7年はスポーツの現場に携わらさせてもらっている。長くいると、紙面のその後に出会える。男子新体操で取材した新垣大悟さんは強豪校の国士舘大を卒業し、弟の大輔を指導し、全国総体を目指した。「沖縄で男子新体操の魅力を伝えたい」と意気込んでいる。北部九州で開催されている全国総体のテニスには優勝経験のある前田優歩さんは「肩書だけですが」と笑いながらも母校・沖縄尚学の監督として帯同していた。

 運動班は時間も休みも不規則で、ハードだ。それでも続けられるのは選手、指導者から競技の面白さを教えてもらえるからだ。もう記者はやらないと決めた時にも「また記事が読みたい」との選手・指導者が声をかけてくれて、スポーツならと戻ることにした。

 現役選手も長く見ていると、試合の内容について話し合える。「よく見ていますよね」「何でわかるんですか」は最高の褒め言葉だ。長く携わることは惰性との戦いもある。少しでも面白くを胸に、日焼けを避けながら、きょうも現場へ。