有料

車いす喜納、ゴールボール安室、県勢2人が世界に挑む パリ・パラリンピックきょう開幕


車いす喜納、ゴールボール安室、県勢2人が世界に挑む パリ・パラリンピックきょう開幕  (左から)喜納翼、安室早姫
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 パリ・パラリンピックは28日に開会式を行い、9月8日までの12日間に22競技が行われる。ボッチャやゴールボールなど、オリンピックにはなかった種目もあり、4年に一度の熱い戦いが繰り広げられる。県勢は車いすマラソン女子(T54)に喜納翼(34)(コザ高―沖縄国際大出、琉球スポーツサポート)、ゴールボールに安室早姫(31)(沖縄盲学校―筑波大付視覚特別支援学校高等部―明治大出)の2人が世界の大舞台に挑む。

トラック練習に励む車いすマラソン(T54)の喜納翼=7月4日、沖縄市コザ運動公園陸上競技場

 喜納は「目標は東京大会の7位を上回ること。見る人が何かを感じ取れる走りができたら。全力で頑張りたい」と決意する。代表初選出の安室は「自分の力を発揮してチームの目標を達成したい」と金メダルを目指す。

 東京五輪の7位以上を目指す喜納にとって大事な要素となるのが車いすとの相性だ。体の一部として扱う器具の重要性を感じ、より推進力を増すように今年からホイールを重たくした。長く試行錯誤を続けてきた努力もあり、「前に重たくなって感覚が良くなった」と好感触をつかんだ。

 喜納は中学、高校はバスケットボールプレーヤーとして県代表に選出された経歴を持つ。バスケットボールをしていた大学1年時、トレーニング中の事故で下半身まひとなったが、車いすマラソンを通してアスリートとして輝き続ける。

 レースは大会最終日の9月8日。「走り終わった時にベストを出し尽くしたと思いたい」と集大成の思いで挑む。

ゴールを狙う安室早姫(日本ゴールボール協会提供)

 安室は小児がんの一種「網膜芽細胞腫」で1歳の頃に失明。競技を始めたのは高等部2年生の時だ。チーム練習がない時も、近所の公園で黙々とスローイングを強化するなど努力を重ねてきた。東京パラリンピックでは代表として選出されなかったが、補欠の「ターゲット選手」としてチームに帯同した。今回、初の代表入りを射止め「やっとスタート台に立てた」とチームへの貢献を誓う。

 ゴールボールは、光を遮断するアイシェード(目隠し)を装着し、1チーム3人で鈴が入ったボールを転がすように投げて得点を競う。「一度でいいから家族にパラリンピックのコートに立っている姿を見せたかった」と勇姿を見せるつもりだ。ゴールボールは8月29日~9月5日に開催される。

 (大城三太)