パリ・パラリンピック第7日(3日)競泳男子200メートル自由形(運動機能障害S4)で鈴木孝幸(ゴールドウイン)が3位に入り、今大会3個目のメダルとなる「銅」を獲得した。
車いすテニス女子ダブルスの上地結衣(三井住友銀行)田中愛美(長谷工コーポレーション)組は準決勝で中国ペアに勝ち、決勝進出。男子ダブルスの小田凱人(東海理化)三木拓也(トヨタ自動車)組は準々決勝で韓国ペアを下した。卓球女子シングルス(知的障害)で和田なつき(内田洋行)と古川佳奈美(えん・コミュニケーションズ)が準決勝に進み、銅以上が確定。4日は、自転車個人ロードタイムトライアルで女子の運動機能障害C1~3の53歳、杉浦佳子(総合メディカル)は6位で2連覇を逃した。男子の運動機能障害C2で川本翔大(大和産業)は8位。陸上女子砲丸投げ(上肢障害F46)で斎藤由希子(SMBC日興証券)は4位。車いすテニスは女子シングルス準決勝に上地が挑み、男子シングルス準々決勝で小田はオランダ選手に勝って準決勝に進んだ。卓球男子シングルス(車いす4)の七野一輝(オカムラ)は準々決勝敗退。
ボッチャのチーム(脳性まひ)準々決勝で日本はブラジルに勝って4強入り。ゴールボール女子の日本は5、6位決定戦でカナダに0―1で敗れて6位だった。車いすバスケットボール女子の日本は中国に敗れ、5~8位決定予備戦に回った。
競泳は、女子100メートル自由形(視覚障害S12)の辻内彩野(三菱商事)、200メートル個人メドレー(知的障害)で男子の山口尚秀(四国ガス)、女子の木下あいら(三菱商事)が決勝に進んだ。
<ゴールボール女子>開始11秒 プラン崩れる 準々決勝
開始わずか11秒。ゴールボール女子で世界ランキング2位の日本が一瞬の隙を突かれた。ブラジルの最初のシュートは、萩原が伸ばした両手の先を抜け、ゴールへ。生命線の守備が乱れ、耐えて少ない好機を生かすプランが崩れた。主将の高橋は「最初に流れを持っていかれたのが大きかった」とうなだれた。
萩原らの強烈な投球で巻き返しを図ったが、なかなか相手の守りを破れない。逆に後半4分過ぎに追加点を許した。1次リーグを3戦全勝の首位で通過したいい流れを生かせず、萩原は「初球で失点して、情けない姿を見せてしまった。悔しいの一言に尽きる」と涙を流した。
ちょうど3年前の9月3日、東京パラリンピックの3位決定戦で下したブラジルに屈し、12年ぶりの金メダル獲得という夢がついえた。高橋は「メダルマッチ(進出)が懸かった準々決勝で力を出し切れなかった。悔しい」と肩を落とした。
気持ちを立て直し、カナダと挑んだ5、6位決定戦。予選で下していたカナダとの再選となった。カナダの選手が回転しながら威力とスピード感のある球を放つと、日本は2人がかりで食らいつくなど緊迫感のあふれる展開が続いた。試合が動いたのは後半8分。カナダの放ったボールがセンター付近へ。後半からセンターで出場した安室早姫が反応して両脚でコースをふさいだが、勢いよくバウンドしたボールがゴールネットを揺らした。
安室はすぐに切り替えて果敢にゴールを狙ったが、相手の好守備に阻まれた。日本は追加点を与えず最後まで得点を狙い続けたが、試合終了を告げるブザーが鳴り響いた。
4年後は金目指す
安室早姫の話 チームとして緊張していたと思う。ブラジルはリードをすると本当に強いチーム。自信を持っているブラジルの守備を崩す一本を投げ切れなかった。悔しさをばねに、4年後はまた金メダルを目指す。
▽女子準々決勝
ブラジル
2―0(1―0,1―0)
日本
(日本は5、6位決定戦へ)
▽女子5、6位決定戦
カナダ
1―0(0―0,1―0)
日本
▽男子準々決勝
日本
6―4(3―2,3―2)
米国
(共同通信)