沖縄県高校新人大会の弓道が29日、那覇市の奥武山弓道場で行われ、女子団体決勝は小禄が10―5で那覇を退けて連覇を果たし、10度目の頂点に立った。男子は首里が13―10で小禄を下し、2年ぶり4度目の優勝をつかんだ。個人男子は喜友名健太(那覇2年)、女子は上原綾音(小禄2年)が1位に輝いた。
「勝利信じて補い合う」
女子団体連覇の小禄は持ち味のチームワークで勝利をつかんだ。個人1位の上原綾音は2冠を達成した。
予選で全4中の宮良梨愛主将は「決勝へ勝ち上がるまで、調子が落ちる選手もいたが、勝利を信じて補い合うことができた」とチームワークに胸を張る。
いい流れを引き寄せられるかどうかの、重要な役割を与えられたのは1番手の安田あい。「最初は自分の調子が良くなくて焦ったが、後続の江口萌衣や宮良がうまく流れをつくってくれた」と安堵(あんど)の様子だった。九州に向けて「いい時と悪い時で差が大きく開いてしまうので、チームとしてもっと安定感が必要。誰かが調子を崩しても、別の人が取り戻すような雰囲気をつくっていきたい」と力を込めた。
宮良は「負けず嫌いの安田、ムードメーカーの上原、冷静で分析型の江口など、勝負強い仲間がそろっている。にぎやかで明るいチーム」と仲間を誇り、共に競技力向上を目指す。
(大城三太)
首里、男子団体V 瀬底、冨名腰がけん引
男子団体を制した首里は、個人戦2位の瀬底暖生主将と3位の冨名腰朝成がチームをけん引した。
予選は5人計20射のうち、13中のトップで決勝へ進んだ。全員が2中以上と総合力が光った。決勝も13中だったが、瀬底が4射4中と完璧の内容で勝利に貢献した。「みんなそれぞれ的に当ててくれていたので、大きなプレッシャーを感じることなく弓を引けた」と穏やかな心持ちで臨んでいた。
瀬底は激戦となった個人戦について、「相手がうわてだった。納得する敗戦」と優勝者をたたえつつ、「九州では自分が勝つ」とライバル心を燃やした。
(大城三太)
自分のことに集中
男子個人を制した喜友名健太(那覇2年) 周りのことは気にすることなく、自分のことだけに集中することができた。今日は特別で、弓道をやっていて一番楽しかった。矢を放つと全部が的に当たるという感覚だった。足の開きをしっかり保ち、後は真っすぐ弓を引くことだけを考えた。
勝ててほっとした
女子個人1位の上原綾音(小禄2年) 射詰で2、3本目を外して悔しかった。相手も外してしまっていて、最後は一本に集中して勝ててほっとした。少しラッキーな部分もあった。OBの人がよく指導に来てくれ、コーチや先輩のおかげで勝つことができた。
<弓道>
(29日・奥武山弓道場)
【男子】
▽団体予選(20射) (1)首里13中(2)小禄11(3)知念10(4)興南6(5)豊見城6(6)開邦6(7)那覇5(8)沖縄工5(9)浦添4(10)コザ3(的中同数は射詰による)
▽団体決勝トーナメント1回戦
首里 15―11 興南
小禄 11―9 知念
▽同3位決定戦
興南 12―8 知念
▽同決勝戦
首里 13―10 小禄
▽個人順位(射詰) (1)喜友納健太(那覇)(2)瀬底暖生(首里)(3)冨名腰朝成(同)
【女子】
▽団体予選(20射) (1)小禄13中(2)那覇9(3)知念6(4)コザ6(5)興南6(6)首里5(7)浦添5(8)沖縄高専5(9)沖縄工5(10)那覇西4(11)豊見城4(12)首里東2(13)北谷1(的中同数は射詰による)
▽団体決勝トーナメント1回戦
小禄 6―5 知念
那覇 7―5 コザ
▽同3位決定戦
コザ 5―3 知念
▽同決勝戦
小禄 10―5 那覇
▽個人順位(射詰) (1)上原綾音(小禄)(2)糸数陽香莉(那覇)(3)長田愛梨(コザ)