コザに逆転サヨナラ勝ちし、喜びを爆発させる宮古ナイン＝30日、沖縄市のコザしんきんスタジアム（大城直也撮影）
名波 一樹 第74回県高校野球秋季大会は30日、コザしんきんスタジアムで準々決勝の残り2試合を行った。宮古はコザに5―4で競り勝ち、沖縄尚学は美来工科を3―1で下してそれぞれ4強入りを決めた。九州地区大会（大分・10月26日開幕）の切符をかけた準決勝2試合は5日、同会場で行われる。
逆境でこそ強くなる。初回に4失点を喫しても、宮古ナインの心は折れなかった。「（失点は）予想通りだよね、後半で勝負だよ」（當銘樹監督）。言葉通り、1点、また1点と強みの打撃力で詰めよった。五回に追いつき、脅威の粘りから5―4で劇的なサヨナラ勝ちを決めた。
紙一重だった。同点となった五回以降、両チームともスコアボードにゼロが並んだ。しかし最終九回表の守りで1死二塁のピンチに。それでも二回からマウンドに立つ砂川結貴がエースとしての意地を見せる。直球にスライダーを交えて後続を打ち取り、無失点で切り抜けた。
その裏の攻撃で「ヒーローになってやろう」と、1死から2番・川満理貴が右越えに大きな当たり。二塁も蹴って三塁まで進み、一気に好機を広げた。
続く3番・與儀陽康は2―2から5球目を振り抜いた。打球を見失い「何が起こったか分からなかった」と言う與儀だが、打球は右前へと転がり、川満がサヨナラのホームを踏んだ。熱戦の幕が下りるとナインは喜びを爆発させ、當銘監督は「想像以上だ」と目を細めた。
「守備が乱れても打撃で取り返せる」（与那覇寛大主将）。自信を持って準決勝へと臨む。
（名波一樹）
▽準々決勝
コ ザ
400 000 000 ｜4
001 120 001x｜5
宮 古
（コ）具志堅、安里―比嘉
（宮）友利、砂川―与那覇
▽三塁打 當眞（コ）、川満理（宮）
▽二塁打 伊佐、當眞（以上コ）、下地（宮）
●再起を誓うコザの仲本政翔主将（2年） 追う展開になると思っていたが、逆になった。最初にいい流れを持ってこられたが、好機で点をとれなかったことが敗因だ。しぶとく、しつこく、粘れるチームになって、勝てるようになりたい。
