2025年に沖縄での初開催が決定した「ラグザス presents 第32回WBSC U―18 野球ワールドカップ」。県内の野球関係者や、かつてW杯に出場した選手からは喜びの声とともに、戦後80年の節目での開催となることに、野球を通して恒久平和を願う声も聞かれた。
「(子どもたちに)いいプレゼントになる発表で、最高」と声を弾ませたのは県野球連盟の又吉民人会長。県内の小中学生へ「直接球場で見てほしい。今後、世界に羽ばたく各国代表のプレーを見ることは財産になる」と力を込める。選ばれた理由に沖縄戦から80年となることがあったことに触れ、「平和は大切。野球を通して次の世代へ平和をつないでほしい」と語った。
県高校野球連盟の眞榮田義光会長も「甲子園で活躍した選手のプレーを沖縄で見ることができるのはうれしい」と喜んだ。戦後、沖縄の野球を創世記から支えてきた先人たちに思いをはせ、「平和があって野球ができるという喜びを沖縄で体感してほしい」と期待した。
23年のW杯に投手として出場し、日本の初優勝に貢献した東恩納蒼(沖縄尚学高―中央大1年)は「生まれ育った島で開催されるのはうれしい」と感慨深げに語った。県内の競技力が向上してきていることに触れ、「2大会連続で沖縄から選手が選ばれてほしい」と後輩にエールを送った。
(渡真利優人、屋嘉部長将)
次代担う球児 迎えられ意義 知事、那覇市長が談話
2025年に「ラグザス presents 第32回WBSC U―18野球ワールドカップ」の沖縄開催について、玉城デニー知事は4日、「戦後80年の節目の年に、世界から、次代を担う若き球児たちを本県で迎えられることは、大きな意義を感じている」とのコメントを発表した。玉城知事は「将来のプロ野球選手やメジャーリーガーになる可能性を秘めた選手たちのプレーを、目の当たりにできる貴重な機会だ」と大会のサポートを約束した。
メイン球場となる沖縄セルラースタジアム那覇のある那覇市の知念覚市長も同日、「未来の野球界を担うポテンシャルを持った世界の選手たちの熱いプレーを間近に見られる機会」とした上で、「野球に親しむ子どもたちだけではなく、幅広い世代の方々にとっても貴重な経験になる。ともに盛り上げていきましょう」とのコメントを発表した。