世界最高峰の総合格闘技UFCの「UFCファイトナイト ラスベガス98」が13日(日本時間)、米国ネバダ州ラスベガスで行われ、フライ級5位で那覇市出身の平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)がメインイベントで同級1位のブランドン・ロイバル(米国・ファクトリーX)と対戦し、1―2の判定で敗れた。キャリア初の黒星となり、UFCの成績も6連勝で止まり、通算成績は16勝1敗となった。
組み技で攻勢も 階級1位に僅差
UFC6連勝と勢いに乗っていたフライ級5位の平良達郎だったが、同級1位のブランドン・ロイバルに判定の末に惜敗し、キャリア初黒星を喫した。得意とするバックマウントからのパンチやチョークで攻める場面もあったが、最終5ラウンドのラスト50秒からの寝技の攻防を優位に進められ、僅差で敗れた。
1ラウンド(R)はロイバルにミドルやハイキックを蹴られ、得意な組み技に持ち込めない。2Rは相手の蹴り脚をつかんでテイクダウンするとバックマウントを取り、柔術黒帯のロイバルのお株を奪うコントロールやチョークを見せるなど寝技で攻め続けた。
3Rは前のラウンドの疲れからか動きが鈍り、相手の打撃を被弾する場面も。4Rは再びテイクダウンに成功。肘打ちを入れるなどペースを握った。最終5R。組み技や打撃の応酬で互いに一歩も引かない展開の中、タックルを決めたが、ロイバルにフロントチョークの状態から体を返され、チョークやパンチなどで攻めらた。そのまま終了のゴングが鳴った。
1―2の判定を聞いた平良は、悔しそうに目をつむって金網をつかんだ。ロイバルは試合後のインタビューで「平良はいつか王者になる。彼が王者になるようどんなことでもする」と合同練習を提案し、賛辞を送った。平良は試合後、自身のX(旧ツイッター)などを更新し、「負けてしまいいろんな感情がこみ上げる」としながらも「必ず、UFCのチャンピオンになって、少しでも皆に恩返ししたいと強く感じました。前を向いて必ず強くなって戻ってきます」と言葉を紡いだ。
(屋嘉部長将)