サッカーの第103回全国高校選手権大会県大会は2日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで準決勝2試合が行われた。那覇西は3―0で名護を破って3年連続で決勝へ進んだ。宜野湾は3―1で興南を退けて3年ぶりの決勝進出を決めた。決勝は9日午後1時5分から、同スタジアムで行われる。優勝校は全国選手権(12月28日~2025年1月13日)に県代表として出場する。
後半に攻撃力発揮し逆転 宜野湾、県総体の雪辱果たす
宜野湾は0―1のビハインドで迎えた後半に持ち前の攻撃力を機能させ、本領発揮で逆転勝ちした。県総体準決勝で延長負けを喫した興南に雪辱を果たした。
新たな選手投入やポジション交代が奏功し、縦パスの回数も増えて攻撃が活性化した。俊足が武器の新屋歩武がゴール前の混戦から7分に同点弾を押し込んだ。勢いづくと30分、右サイドから抜け出した比嘉憲聖が守備を引きつけ、中央の喜屋武侑真が絶妙なタイミングでパスを受け、しっかり流し込んだ。終了間際には島袋佑がダメ押しの3点目。右サイドバックの宮城太陽主将はロングパスを供給し、守備でも最後のとりでとなって危機を防いだ。「1点取れたら勢いづくチーム。後半にスイッチが入った」とうなずく。
課題も残った。前半は押し気味に進めたが、得点につながらず膠着(こうちゃく)状態に陥った。DF間でパス回しを試みるも、前線からのプレスを受けてロングキックを蹴らされる場面が目立ち、芽をつまれた。
島袋は「前半はチームが目指す『攻撃の組み立て』がうまくいかなかった」、新屋は「前半はあと一歩のシーンが多かったが、カウンターで攻められた」と修正を誓い、決勝へ挑む。
(大城三太)
堅守で今大会無失点 那覇西、3年連続決勝へ
那覇西は昨年決勝で敗れた名護を3―0で退けた。前半25分までに2―0とリードし、後半31分にも追加点を挙げ、今大会無失点で決勝進出を決めた。
一方で、2点リードの後はカウンターを受けるリスクを承知しながら、捨て身で牙をむく名護に対し、受け身にならざるを得ない展開が続いた。
與古田頼は前線でボールを収めるポスト役でチームを引っ張り、2点目で勝利をぐいっと引き寄せた。「足元にボールが来たら持ち味を生かせるし、ゴール前のアイデアにつなげることができる」と攻撃に自信を持つ。同時に「ゴールに近いところで奪われるというチームの悪い癖も出た」と反省を忘れなかった。
左サイドバックの宮里豪(2年)はボールに多く絡み、3点目を決めた久貝優斗と共に縦への攻撃を活性化させた。チメズ・ビクター・チュクンマは長身を生かしたセットプレーやパス供給で存在感を示した。
那覇西は2020年以来、優勝から遠ざかっており、22、23年の決勝はPK戦で涙をのんだ。上地克幸主将は「厚みのある攻撃をしたい」と積み重ねてきた技術と思いを仲間と一丸となって決勝のピッチで表現する。
(大城三太)