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「渡地物語」24日上演 国立劇場 与座ともつね追悼


「渡地物語」24日上演 国立劇場 与座ともつね追悼 与座ともつね追悼公演のけいこをする出演者ら=10日、浦添市の国立劇場おきなわ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2020年7月に死去した、「劇団与座」座長で沖縄芝居役者の与座ともつねを追悼する公演が24日、浦添市の国立劇場おきなわである。午後2時と午後6時の2回公演。ともつねが亡くなる前に指導していた時代歌劇「渡地物語」(高江洲紅矢作、新垣勝夫演出)も3年越しに上演する。

 ともつねは、兄の故・与座朝惟と共に「与座兄弟」として人気を集めた。1965年に劇団名を「与座一行」から「劇団与座」に改称し副座長を務め、朝惟の死後は座長に就任した。今年から、ともつねのおいの朝奎が座長を担う。

 「渡地物語」は、首里での奉公を終えた久米島の青年蒲太と、渡地の船宿で偶然出会った遊女チルーの恋を描いた物語。ともつねが亡くなった年の母の日公演で予定していた。新垣は「本人の意気込みがすごかった。道半ばだったはず」と語る。蒲太の父役はともつねがよく演じていたが、今回は新垣が演じる。「ともつねさんならどうやるのかだけを考えている」と話す。ともつねが指導していた孫の与座由佳もチルー役で本格デビューする。

 新垣は「(ともつねの演技を)全て見て学んできたが、亡くなって改めて演技力のすごさを感じる」と話す。ともつねの妻の喜美子は「演技もたくさん教えてもらった。ようやく追悼公演ができる」と安堵した。

 公演では「首里上り小」(伊良波尹吉作、瀬名波孝子演出)なども披露する。前売り券は3千円(当日500円増し)。問い合わせは098(863)3579(与座)。

(田吹遥子)