【宮古・石垣】木原稔防衛相は24日、宮古島市と石垣市を訪ね、座喜味一幸宮古島市長、中山義隆石垣市長と面談した。座喜味市長は建て替え予定の市体育館地下駐車場に避難施設を整備することへの支援を求めた。中山市長は10月に石垣市を含む県内全域で実施される日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」に理解を示した。木原氏の宮古、石垣訪問は防衛相就任後初めて。両市の陸上自衛隊の駐屯地も視察し、隊員に訓示した。
玉城デニー知事との面談はなかった。一連の日程後に石垣市内で報道陣の取材に応じた木原氏は、玉城知事と会談しなかった理由について「現場を自らの目で確認したい」として、視察を優先したことを明らかにした。
木原氏と両市長との面会は冒頭以外非公開だった。宮古島市内のホテルで座喜味市長と面談した木原氏は、南西諸島への防衛力強化の必要性を強調。座喜味市長は市内の観光需要が好調なことに触れ、住民らに対して自衛隊活動に関する丁寧な説明と理解を得ることの重要性を訴えた。
面会に先立ち木原氏は、4月に宮古島市の海で陸自ヘリコプターが消息を絶ち、10人が亡くなった事故の現場が見渡せる市伊良部の海岸を訪れ献花した。
石垣市内のホテルでは中山市長と面談。市南ぬ浜町に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開していたことについて、市の協力に謝辞を述べた。来月の日米共同訓練で新石垣空港に陸自のオスプレイを飛来させることについても触れ「安全運航を第一に、最大限配慮し事故のないようにしていく」と理解を求めた。中山市長は訓練の必要性に理解を示した上で「市民生活に影響のないよう配慮してほしい」と求めた。
木原氏は記者団に対し「米軍基地の負担軽減に取り組むことは重要だ」とした上で「今後また機会を見て沖縄本島を訪問し、知事を含む地元の皆さまと意見交換ができる機会を必ずつくりたい」と述べた。 (友寄開、照屋大哲)