米軍辺野古新基地建設問題に関し、玉城知事は4日、大浦湾側工事の設計変更の承認を「期限内に承認は困難」と国に回答した。4日の玉城知事の会見での主なやりとりは次の通り。
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―今後承認という可能性があるのか、もしくは指示に応じないことで実質不承認か。
「現段階では承認とも不承認とも確定できないとして、判断できないと回答した」
―期限までに承認が困難というのが県の最終的な判断なのか。
「現段階での判断。今日の段階では承認する、しないに至っていない」
―今後も検討を続けるか。
「さまざまな声が連日県庁に寄せられている。県民の声や専門家の意見も県政の安定的な運営のために参考になる」
―県民にとって分かりにくい判断ではないか。
「県知事として2019年2月の県民投票の結果を尊重する必要がある。与党県議全員からも今後の対応について要請があった。行政法学者からは、代執行手続きが続行した場合も自治の担い手として正面から向き合うように申し出があった。新基地建設は埋め立て承認を得たとしても供用開始まで12年を要する。到底看過することはできない。一方で、行政の長として最高裁判決を受け止める必要もある。本日までに協議を重ねた結果、判断に至らなかった」
―代執行訴訟で県に承認を命じる判決が出た場合も承認しない選択肢はあるか。
「実際の訴状が届いてから、どういう経緯をとるべきか、三役中心に協議しないといけない」
―今回の判断は、時間切れという受け止めか。
「そういうことだと思う。それしか言えない」
―国へ期限延長などの交渉は。
「特に日程を延ばす等の申し出は行っていない」
―代執行訴訟に入る中でそれ以外の解決策は。
「政府としっかり対話できる環境をつくってほしい。必要であれば既存の会議体を動かして、具体的に沖縄の基地負担の軽減、普天間の一日も早い危険性の除去につながる会議ができるかどうか」
―岸田文雄首相と面会したい意向を政府側には伝えたか。
「直接伝えてはいないが、先日、自見英子沖縄担当相に対話による話し合いをもって解決を図りたいと伝えた」
―9月4日の最高裁判決から1カ月。どういったことを悩んだか。
「行政の長として最高裁判決を受け止めるということ。普天間の一日も早い危険性の除去につながるかどうか、沖縄における過重な基地負担の軽減が今後どう図られるかなど、行政法学者の方々からの意見等をしっかり受け止めて検討することに時間を要した」
―時間があれば、どちらかの判断を下せるか。
「政府がどう考えているか。常に対話による問題を解決するための姿勢を示していきたい。頑(かたく)なではなく、柔軟な対応をとれることも含めて考えなければいけない」