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長生きするためにデジタルデトックス <伊是名夏子100センチの視界から>159


長生きするためにデジタルデトックス <伊是名夏子100センチの視界から>159
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 今年の夏は副鼻腔(びくう)炎や熱中症になり、めまいも続き、きつかったです。例年以上にエアコンが効いた部屋で過ごし、夏を乗り切りました。しかし「夏に体を冷やすと免疫力が下がり、冬に体調を崩す」とも聞き、不安でたまりません。もうこれ以上きつくなりたくない! と思い、いろいろ試すことにしました。
 まずはヨモギ蒸し。約10年前に韓国のヨモギ蒸しセットを買ったので、定期的に体を温め汗をかきます。適度な運動がいいと分かっていても、車いすに乗っているとなかなかできません。私はヨモギが大好きで、体が温まるだけでなく香りにも癒されています。


 寝る前にはおきゅうを始めました。ツボを調べ、気になる所にさします。おもしろいことに、すぐに熱く感じる時もあれば、火が消えてもそこまで熱く感じない時もあります。熱さを感じない所こそ、弱っている場所だそうです。また栄養も足りていないのかもしれないと思い、サプリや漢方なども試しています。

しかし最も効果があり、体の疲れが取れるようになったのは、お金もかからないことだったのです。寝る前には携帯を触らない、デジタルデトックスです。眠る2時間前から携帯を控えた方がいいそうですが、さすがに無理なので、9時以降はなるべく見ないと決め、10時までには寝ることにしました。そしたらびっくり!!毎晩のように見ていたうなされる夢を見なくなり、深く眠れ、朝も早く目が覚めるのです。いつも感じていただるさも、そこまで感じません。不調の原因の一つは携帯だったとは!驚きました。

 障害があると、体の不調を感じてもマンモグラフィーや胃カメラなどの検査が受けにくく、一般的な機械が使えず病気の発見が難しいことがあります。また、もともとの障害の特徴を踏まえながら病気の治療ができる専門の医師は、ほとんどいません。障害がある人同士、日ごろの体調や検査の工夫、おすすめの医師について情報交換していくことが大切です。

 そして何より、日ごろから体を大事にしたいです。まわりから怠けていると思われても、またまわりと比べてできないことが多くて悔しくても、「長生きするために、賢く休みながら生きている」と自分を褒めたいです。楽しいことがあることも、命(ぬち)ぐすいになるでしょう。ワクワクすること、幸せだと思うことを優先し、あと半分の人生、私なりの長生きをしたいです。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。