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辺野古代執行訴訟・知事の陳述(1)明確な民意の無視は許されない 国の主張「説得力ない」 


辺野古代執行訴訟・知事の陳述(1)明確な民意の無視は許されない 国の主張「説得力ない」  名護市辺野古の沿岸部。奥の大浦湾側には軟弱地盤が見つかっている=2023年5月(共同通信)
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 玉城デニー知事は意見陳述で、代執行訴訟の要件である「放置することが著しく公益を害すること」について「異常なまでに過重な基地負担が課されている中で、さらなる基地負担を受け入れることが到底できないという、当然とも言える県民の明確な民意を無視した国による是正が許容されようもないことは明らかだ」と指摘した。
 国側は、県が設計変更申請を承認しない状態が放置されれば、事業の進ちょくが遅れ、普天間飛行場の危険性除去という公益を害すると主張している。
 玉城知事は、沖縄戦で本土防衛の防波堤として犠牲を強いられ、日本から切り離された歴史に言及した。強制的な土地接収によって広大な米軍基地ができ、墜落事故や軍人らによる凶悪犯罪、環境汚染などの基地被害にさらされ、復帰後も深刻な被害が続いている現状を訴えた。
 県民は他都道府県と比べ1人当たりの面積で実に約200倍の基地負担を課されているが、国は抜本的な被害軽減のための外交交渉をせず、県外移設の選択肢を政治的な理由から排除してきたとして「国が普天間の危険性除去や基地負担軽減を唱えてきたことに説得力はない。国の姿勢を見てきたからこそ、県民は辺野古新基地建設に反対している」と批判した。 

(沖田有吾)