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辺野古代執行訴訟・知事の陳述(2)辺野古唯一「合理性欠く」 難工事で遅延、基地が固定化


辺野古代執行訴訟・知事の陳述(2)辺野古唯一「合理性欠く」 難工事で遅延、基地が固定化 米軍普天間飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部。手前は大浦湾=2023年5月(共同通信)
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 普天間飛行場の危険性除去に向けて、政府が繰り返している「辺野古が唯一の解決策」という前提について、玉城知事は「必要性や合理性を欠いている」と指摘した。
 普天間の危険性除去や周辺住民の生活環境の改善は極めて重要な課題としながらも、辺野古新基地は仮に変更申請が承認されても使用開始まで12年かかることや、難工事で大幅な遅延が見込まれることなどから、普天間は固定化され、一日も早い危険性の除去にはつながらないと強調した。
 新基地を使う米軍が、周辺国のミサイル能力の向上に対応するために、固定基地ではなく島しょなどを移動しながら戦闘を展開する方針にシフトしていることも踏まえ、安全保障環境の変化も訴えた。イージス・アショアの配備断念を例に、辺野古も撤回を検討する必要があるとした。
 政府が「辺野古唯一」とする理由について「県外移設に対する県外の反発を恐れ、県内移設ありきで物事を解決しようとするものでしかない」として、政治上の理由に過ぎないと批判した。 

(沖田有吾)