市町村への「卸値」に当たる水道供給単価の値上げに関し、沖縄県企業局が開いた説明会の場では、水の供給を受ける28市町村の担当者らからさまざまな声が上がった。「PFOS対策が影響しているのか」などとの質問もあり、県担当者はPFOS対策について「県民負担は適切でない」との見方を示した。
企業局が2016年から実施している有機フッ素化合物(PFAS)の一種PFOSなどの汚染対策について、宜野湾市の担当者は「今回の料金引き上げにPFOS対策が影響しているのか」と指摘した。
企業局総務企画課の志喜屋順治課長は「PFOS対策も事業費に含まれている」と説明した。また同局の石新実企業技監はPFOS対策は嘉手納基地に起因するとし「(対策費用を)県民が負担することは適切ではない。今後とも国に対して必要な費用を求めていく」と述べた。
那覇市からは、今回の料金値上げ理由にも挙げられている水道広域化に関する問題について、「離島への水の供給にかかる費用を本島の受水自治体が賄うのではなく、離島振興としての県の一般財源などを使うべきだ」という意見が上がった。県担当者は、費用負担に関しては以前の意見交換の場で合意形成がなされているとした上で「現在、8~900円の用水単価で運営している自治体もある。その費用が100円台になることは離島住民へのユニバーサルサービスにつながる」と答えた。
那覇市、宜野湾市、豊見城市、うるま市は水道料金値上げに関する要望書も提出した。県は要望書の内容や、説明会での意見などを検討した上で今回の改定案を提案したとした。
(與那原采恵)