prime

世界エイズデー県内の状況は? 初診段階で発症、高い割合<ニュースはじめの一歩>


世界エイズデー県内の状況は? 初診段階で発症、高い割合<ニュースはじめの一歩>
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

Q 12月1日はエイズのまん延防止と患者や感染者に対する差別、偏見の解消を目的とした「世界エイズデー」。県内の感染状況や行政の取り組みはどうなっているの?

 A エイズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することで起きる病気です。感染経路は(1)性行為(2)血液を介しての感染(注射器具の共用など)(3)母子感染になります。感染後、2~3週間後には風邪のような症状がでます。その後、数年は症状もなく体内でHIVが広がり、治療せずにいると微熱や下痢、リンパ腫の腫れ、肺炎などを起こり、それを「エイズが発症した」と言います。かつては「死の病」と呼ばれていましたが、感染を早期に発見し、治療を続ければ日常生活を送ることができます。

 県によると2022年の人口10万人当たりのHIV感染者は0・61人で全国6位、エイズ患者は0・61人で全国1位でした。1987年から23年11月5日までに、保健所の検査などで分かったHIV感染者は316人、エイズ患者は174人の計490人で、診断時点で既に発症している「いきなりエイズ」の割合が高いことが課題です。

 性別は男性が圧倒的に多く466人で、女性は24人。感染経路は男性の同性間による性的接触が約6~9割を占めています。

 検査を受けなければ感染は分かりませんが、コロナ禍の20~22年は保健所での匿名・無料の検査を休止したこともあり、検査件数が大幅に減少しました。現在は保健所での匿名・無料の検査のほか、民間医療機関による委託検査(有料)も実施し、早期発見と治療につなげています。