有料

知事メッセージ全文 新基地阻止に力結集を


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報朝刊

 はじめに1月1日に発生した能登半島地震において、お亡くなりになった方々にご冥福をお祈り申し上げ、被災された皆さまおよびご家族の皆さまに、心よりお見舞い申し上げる。
 先般、能登半島地震に係る第1回沖縄県支援対策本部会議を立ち上げ、民間・市町村・全国知事会と連携しながら各種支援を行えるように取り組んでいく。
 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議の皆さまはじめ、関係各位および、本日ご参加されている皆さま、日々のご活動に対し心から敬意を表する。
 先日、沖縄防衛局が大浦湾側の工事に着手した。沖縄県は昨年12月に国土交通大臣によって変更承認申請が承認されたことから協議を開始するとしたが、協議がいまだ調っていない中で工事が着手されたことについては誠に遺憾である。
 また林官房長官は記者会見で「地元の皆さまへの丁寧な説明を行う」と発言し、また木原防衛大臣も先月の記者会見で「地元の皆さま方に丁寧な説明を行う」と発言しているが、私はこれまで辺野古新基地建設問題を含む基地問題について一度たりとも、林官房長官とも木原防衛大臣とも面会する機会をいただいていない。
 沖縄県がこれまで再三求めてきた真摯(しんし)な対話に応じることなく、一方的な文書の送付が重ねられるばかりで、知事の権限を奪う代執行に至り、さらに工事の着手が強行されたことは「丁寧な説明」とは到底真逆の、極めて乱暴で粗雑な対応がなされたものと言わざるを得ない。
 沖縄県は昨年12月20日の高裁判決に不服があるとして、同月27日に上告受理申し立てを行ったところであり、今後最高裁判所において高裁判決の問題点を明らかにし、多くの県民の願いをしっかりと訴えていく。
 政府においては必然性・合理性のない埋め立て工事の強行がもたらしている甚大な問題を直視した上で沖縄の苦難の歴史に一層の苦難を加える辺野古新基地建設を直ちに中止し、問題解決に向け沖縄県との真摯な対話に応じていただくよう求める。
 結びに本日参加されている皆様の熱い思いに心から敬意を表するととともに、未来を担う子や孫のために「誰ひとり取り残さないやさしい社会」「県民が笑顔で未来に希望を持てる沖縄県」を創り上げるため、県政の取り組みへの力を貸していただくようお願いする。今こそ力を結集し辺野古新基地を止めさせよう!
 「新時代沖縄の、さらに先へ」「すべての県民の笑顔のために」
 共に協力し、一緒に頑張ろう。グスーヨー、マジュン、チバラナヤーサイ!