「反骨」を辞書で引くと「容易に人に従わない気骨。権力に抵抗する気骨」とある。力を持たない民衆が従順なままだと、権力にのみ込まれる。大きな力に抵抗する気骨が民衆には必要だ
▼民衆は反骨精神を持って権力と向き合ってきた。欧州の市民革命など、権力にあらがう民衆の力が歴史を変えた事例は多い。沖縄では今も米軍や日本政府という巨大権力と対峙する
▼ネット上では「反骨」の言論を多く目にする。自民党の裏金事件や被災地支援策に至るまで、政治家の行動や政府の施策を厳しく監視し、批判や疑問の声を投げつける。まさに「権力に抵抗する気骨」の発揮だろう
▼ところが辺野古の新基地建設になると政府批判の声は少なくなる。県民の反対を無視した強行にも「政府の方針に従うべきだ」と言う。権力者に対し、これほどまでに従順かとため息が出る
▼完了できるか不明な難工事、9千億円超の総事業費。辺野古の基地建設は納得しがたいことばかり。政府の工事は間違いだと批判する反骨精神をネット上でもっと見せてほしい。