<金口木舌>竜巻への心構え


社会
<金口木舌>竜巻への心構え
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 疲れて眠った竜の耳にムカデが入ってしまった。竜は痛さで我慢できず、暴れ回っていると、一羽の鶏がやってきて、ムカデをちょんとくわえて食べてしまう

▼「陸には、怖いものがいるんだな」と竜は天へと帰っていく。県発刊の「おきなわの民話百選」に「むかでと鶏と龍」という民話が収録されている
▼嵐を引き起こす竜はムカデと鶏を恐れるという言い伝えから、琉球王国時代の進貢船はムカデ旗と鶏の絵を掲げていたという。遠く中国へと向かう道中の「竜巻よけ」の意味を込めていたとも伝わる
▼5日に伊江島で発生した竜巻。島へ向かう「フェリーぐすく」から撮影された動画に映る竜巻の姿は、島に襲いかかろうとする竜のよう。「当たっていたら大変」と語る船長の言葉には実感がこもっていた
▼1991年以降、気象庁が確認した沖縄の竜巻発生数は52個で、全国で一番多い。気象庁は竜巻に遭遇した際、近くの頑丈な建物へ避難し、部屋の中央で身を守るよう呼び掛ける。心の中に「ムカデ旗」。日頃の防災意識、もしもに備える心構えが必要だ。