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「特定利用」全国5空港11港 防衛強化 那覇空港・石垣港など


「特定利用」全国5空港11港 防衛強化 那覇空港・石垣港など 政府が特定利用空港に指定した那覇空港(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【東京】政府が防衛力強化のために全国の空港や港湾を「特定利用空港・港湾」に指定して優先的に予算を配分する事業で、全国5空港11港湾を指定する方針を固めたことが27日、複数の関係者への取材で分かった。県内は石垣港と那覇空港の2カ所が対象。自衛隊や海上保安庁による利用円滑化が条件となっている。

 確認事項には「国民の生命・財産を守る上で」または「艦船の航行(空港の場合は、航空機の飛行)の安全を確保する上で」緊急性が高く、利用に合理性が認められる場合は「民生利用に配慮しつつ」自衛隊や海保が「柔軟かつ迅速に施設を利用できるよう努める」ことを記す方針。

「特定利用空港・港湾」の対象になる見通しの石垣島の石垣港(資料写真)

 政府は4月1日にも正式決定し、公表する見通し。施設利用に関する確認事項は、石垣市が管理する石垣港は政府と市が、国管理の那覇空港は関係省庁間で共有する。防衛省や海保との連絡・調整体制を構築する。

 政府は2022年末に決定した新たな国家安全保障戦略で民間インフラの利用促進を掲げた。その後、県内12カ所を指定候補に定め、昨年9月末から調整してきた。管理者の意向や費用対効果を踏まえて今回は石垣港と那覇空港を指定する方針を固めた。石垣港は機能強化に向けて計画を検討する。自衛隊と共用の那覇空港では、2本の滑走路をつなぐ誘導路を増設する計画。

 那覇以外の県内空港は県管理で、県が同意しない限り指定されない。 (明真南斗)