【中部】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機の退役に伴い、米空軍が米本国などから戦闘機の巡回配備を始めて、4日で1年半が経過した。地元の嘉手納町が実施する騒音調査によると、2023年度は4カ所の騒音調査地点のうち3カ所で、月間の騒音最大値が100デシベルを超えた月が11回以上となった。21年度の調査では0回だった町役場でも23年度は11回に達するなど、著しく増えている。
騒音の激しいF35Aステルス戦闘機やF22Aラプターステルス戦闘機の巡回配備が影響したとみられる。
23年度、最大値が100デシベルを超えた月は、嘉手納町役場で11回、屋良で12回、ロータリープラザで11回と、ほぼ毎月、100デシベル以上の最高値を記録した。100デシベルは「電車が通る時のガードの下」に相当する。屋良では23年5月に106・3デシベルを記録した。
21、22年度の回数は町役場が0回と1回、屋良で6回と4回、ロータリープラザで1回と4回で、比較すると23年度は回数が激増している。
沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)によると、23年度の航空機騒音による苦情件数は、沖縄市と嘉手納町で記録が残っている14年度以降で最多となった。
米軍は嘉手納基地所属のF15戦闘機退役に伴い、22年11月4日から巡回配備を始めた。F15戦闘機は2年かけて退役させる計画で、後継機として第4、5世代の高度な戦闘機を常駐配備する予定だが、詳細は明らかにされていない。
本紙の調べでは、嘉手納基地に巡回配備されていたF35Aは4月18日で全機が米国に帰還した。一方で3月27日からはF22Aが巡回配備で飛来しており、3日時点で24機が暫定配備されている。今後も騒音被害への懸念が高まりそうだ。 (金盛文香)