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バイデン氏 撤退 高齢懸念 抗えず 後継、ハリス氏を支持


バイデン氏 撤退 高齢懸念 抗えず 後継、ハリス氏を支持 米ホワイトハウスでハリス副大統領(左)の隣で拍手するバイデン大統領=6月10日(ロイター=共同)
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 【ワシントン共同=高木良平】11月の米大統領選で再選を目指した民主党のバイデン大統領(81)が21日、撤退を表明した。6月の討論会で高齢による心身の衰えへの懸念が再燃し、党内で高まった交代圧力に抗えなかった。共和党候補トランプ前大統領(78)と争う後任候補としてハリス副大統領(59)を支持すると発表、ハリス氏は立候補を表明した。 (3、6面に関連)
 再選を狙った現職大統領が撤退に追い込まれるのは、ベトナム戦争の反対運動に直面した1968年のジョンソン大統領以来56年ぶり。二大政党の候補選びが事実上終わった段階での撤退は極めて異例だ。
 民主党は党候補を正式指名する大会を8月に控える。バイデン氏はX(旧ツイッター)で結束を呼びかけた。ハリス氏はXで「指名を勝ち取る」と決意を示した。
 クリントン元大統領夫妻はハリス氏支持を発表。一方、オバマ元大統領は明言していない。ロイター通信によると、全50州全ての民主党委員長がハリス氏支持の意向を固めた。
 ハリス氏が民主党候補に指名されれば2016年のヒラリー・クリントン氏以来、2人目の女性候補になる。
 バイデン陣営は21日、大統領候補をバイデン氏からハリス氏に変更すると連邦選挙委員会に申告した。ハリス氏が陣営の口座を管理できるようになる。
 副大統領候補も注目される。激戦州の東部ペンシルベニアのシャピロ知事(51)ら複数の名前が挙がっている。
 バイデン氏は撤退が「民主党や米国にとって最善だと考えた」と訴え、今週国民に説明する意向を表明。来年1月まで大統領の職務に専念する考えだ。
 トランプ氏はソーシャルメディアで「彼は最初から大統領にふさわしくなかったが、周囲は衰えについてうそをついた」と批判した。