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振り付け多彩 表現豊か 森島バレエ教室 30人、迫真の演技


振り付け多彩 表現豊か 森島バレエ教室 30人、迫真の演技 ビートルズメドレーの創作「あの頃のわたし」で憂いを帯びた表情を見せる森島富美加(提供)
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 森島富美加バレエ教室の公演「Dance collection」が7日、那覇市ぶんかテンブス館であった。振り付けを森島代表、森島美奈子、江上悠、儀間リイナが担当した。空間や小道具で演出しながら、体の至るところを使った振り付けは、表現力に富んだ舞台を作り上げた。30人余りが出演した。
 1部は、小学生の生徒たちで踊る「オープニング」で幕開け。表情が見える距離でも物おじせず、楽しそうに踊った。「熱い思い」では幸田琉南が魅せた。その場から動かずに繰り出される、ステップや上下の動き、手足を体に近づける動きなどは目新しく、幸田の表現力を引き出した。
 「カルメン」第1幕では江上がドン・ホセ役、儀間がカルメン役で出演した。挑発的な踊りをする儀間を、どうしても目で追ってしまう江上。自制できない江上は完全に魅了される。儀間にアプローチするも手のひらで転がされる。この駆け引きを2人は迫真の演技で表現した。
 2部は、ビートルズの7曲をメドレーにした創作「あの頃のわたし」を披露した。森島代表がりんごを持って客席から登場した。憂いを帯びた表情のまま、手で顔を隠し、口を覆うなどの動きで客の目線をくぎ付けにし、次の出演者にリンゴを渡した。出演者らは、ポップな「オブラディ・オブラダ」、ロックンロール調の「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」、バラード調の「アクロス・ザ・ユニバース」など、曲調や歌詞にマッチした多彩な振り付けで踊りながら、りんごを受け渡していくことで、ストーリー性のある創作に仕上げた。
 最後は観客の手拍子の中、出演者全員がビートルズで陽気に踊り、楽しげなムードのまま幕を閉じた。
 (嘉手苅友也)