＜金口木舌＞乗り越えたい「壁」

　世の中には多くの「壁」が存在する。行く手を遮る塀など物理的なものがあれば、日々の暮らしで出くわす困難も「壁」と表現する。私たちはそれを乗り越えるため試行錯誤する

▼パリで開幕したパラリンピックでは、さまざまな障がいがある選手が輝きを放つ。競技や日常生活で「壁」に直面することもあっただろう。それでも挑戦を続け世界最高峰の舞台にたどり着いた

▼日本パラリンピック委員会は大会を「共生社会を具現化するための重要なヒントが詰まっている」と紹介する。障がいの有無にかかわらず、誰もが輝ける社会づくりのため何ができるか。大会を通して答えを見つけたい

▼県勢は車いすマラソン女子の喜納翼選手とゴールボールの安室早姫選手が出場する。喜納選手は「見る人が何かを感じ取れる走りができたら」と語った。県勢選手の活躍で障がい者スポーツをより身近に感じられるはずだ

▼障がい者スポーツを知れば日々の目線も変化する。車いすが通りにくい場所はないか。誰もが心地よく利用できる施設になっているか。一人一人が意識を高めて知恵を絞れば「壁」は必ず乗り越えられる。