米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に向けた沖縄防衛局の設計変更申請を巡り、沖縄県の不承認処分を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして県が処分の効力回復を求めた抗告訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)は2日、訴訟提起の適格がないとした一審の那覇地裁判決を支持し、県の訴えを退けた。
これまで14件あった辺野古新基地を巡る県と国との争いで唯一係争中だった訴訟。
一審判決では、県に抗告訴訟の訴訟提起の適格がないとし、「県が提起した訴えは不適法である」と判示し、県の訴えを退けていた。県が埋め立て承認撤回の効力の回復を求めた同種の抗告訴訟で、県に訴訟提起の適格がないと判示した2022年12月の最高裁判決の射程が及ぶと判断した。
国交相裁決の取り消しを求める同種の訴訟では、辺野古の周辺住民が原告となった抗告訴訟で、福岡高裁那覇支部が5月、一審那覇地裁判決を破棄し、市民4人の原告適格を認めている。同訴訟では被告の国が上告し、最高裁が受理するかどうかを判断する。
関連記事